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どれだけの間走っていたのだろうか。気がついたらあたり一面が、雑草に覆われている。
(おかしい……こんなのおかしいよ)
わたしは溢れ出す涙を押さえきれずにその場にしゃがみこむ。そして小さな嗚咽を漏らした。
十分ほど泣いたであろうか? わたしはようやく落ち着きを取り戻す。そして、あの男が使用した謎の武器、いや兵器、《ゲノムエクイプメント》について考えることにした。
ゲノムエクイプメント……あの男がいうにはポケモンの遺伝子を組み替え、鋼タイプを強制的に付け加える。そして身体能力を格段にあげる生物強化兵器らしい。たしかにいくつかの弱点はあるものの、それを差し引いても十分な力を持っている。 わかっているのはここまでだ。
いったいあれは何から作られているのか? だれが作ったのか? いや、そもそもなぜ作られたのかもわかっていない。
それにあの男が言っていた、あの方や我々。誰のことを言っているのだろう。謎は深まるばかりだ。
「はぁ……」
わからないことを何時までも考えているわけにはいかない。わたしは膝についた泥を払い、傷ついたエンブオーをボールから解放した。
「ごめんね、大丈夫?」
わたしは、エンブオーの傷口を押さえ、スゴい傷薬を吹き掛ける。傷口はみるみる埋まっていき、最後は薄い傷痕だけになった。ケガが治り、わたしは改めてエンブオーの顔を見てみる。その表情は何かに怯えているようだった。
「どうしたの?」
わたしがそう問いかけると、エンブオーは手を振り上げ、降り下ろす動作。アームハンマーの攻撃動作をし始める。
(もしかして……)
意図的ではなくとも、同じポケモンの命を奪ってしまったことの、罪の重さにに怯えているのだろうか? 一瞬その考えを口に出しかけるも、それを噛み殺す。そんな事は、直接聞くべきではない。 わたしはエンブオーの頭を軽く撫で、ボールの中に戻した。そしてここから見て一番近い町、 シッポウシティに向かうことにした。
最終更新:2014年08月23日 14:22