ビッパ伝 外伝 ~チクワブ物語~
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――これは、モッパ達がセズと闘い、ジムを取り戻したその後(本編参照)のチクワブのジムリーダー復帰までの物語である。
クロゲネシティ、炭坑前。ここはかつての先代クロゲネジムリーダー、ガビョウタが好んで修行をしていた場所。今となってはいつ崩れるかわからない状態。だが炭坑として扱われているのは確か。そんな危険な所に、チクワブはいた。
「モッパ君達が去って3日いいいいい、あれからというものジムの修理すら終わってなあああああいよおお」
相変わらずチクワブはチクワ語を連発している。炭坑ではむさくるしいオッサン達が作業をしている。あの白いタンクトップは見るだけで汗くさそうに思える。チクワブは炭坑の中へゆっくりと入っていく。するとチクワブは腰のボールを一つにぎるとそれを地面に開閉スイッチが当たるように落とす。
するとでてきたのは、ヒゲをはやしているようにしか思えない風貌のダイノーズが出てきた。
「ダイさ~ん、あのさあ、みんなからリーダーだと再び認めてもらえるようにここで強くまろうぜエエエエ。」
そのチクワ語に、ダイノーズ(以下ダイさん)はゆっくり反応する。「いやいや、オマエ所詮チクワだしさァ、いくらがんばってもタマゴや大根には勝てねえんだよ、オマエは鍋のすみっこでおぼれてりゃいいんだよ。」その問いかけにダイノーズは毒舌で返した。ソレを聞いたチクワブは、心の一欠片が抜き取られるようなダメージを負った。
(チクワブの心境)“ダイノーズの超毒舌を放った。痛恨の一撃!チクワブは∞のダメージをうけた!!チクワブはノイローゼになった!全滅した・・”
そんなどっかのクエストのような状態に陥ったチクワブは目から血の涙を流した。
「ええええ!!?怖ッッ!!ってかグロッッ!!なんで出血!?何故に!!?」ダイノーズがソレに怯えながらツッコむと、「しょうがねーな、わかったよやるよ、だからその地獄絵図のような行動はやめてくれ」と言い、チクワブを慰める。「残念、今のウソ泣きでしたー。ひっかかってやんのおおおお、オマエやるったいったかんな。やれよおおお」チクワブは突然テンションを上げて言う。「それはそれで恐ェェよ!!なんでうそ泣きで目から血ィでんの!?恐くね!?」ダイノーズが再びツッコむと、チクワブは先に炭坑の中へ入ってゆく。
この頃、ちょうどモッパ達も修行をしている頃。それに合わせるように日々チクワブ達は修行をしていた。
――3日後。
チクワブ達は自信に満ちあふれたような顔で炭坑から出てきた。すると作業のオッサンがチクワブに話しかけてきた。
「アンタそんな長い間炭坑にいたの?臭くね?オマエさあ、なんか焼きすぎた魚のような臭いすんだけど。」
「テメーに言われたかねえよ」
そう即答でチクワブが答えると、ジムへ向かった。
修理された自動ドアを通ると、弟子が迎える。「あ・・チクワさんじゃん。復活したの?」「いや、チクワじゃなくてチクワブなんだけど・・それは俺の性格がチクワとでも言いたいのか?そりゃ確かに心はチクワのようにフニョフニョだけどさあ・・」チクワブが討論をしていると、ジムの電話がなった。チクワブが受話器をとると、それは協会からだった。「あのさあ、キミこの前クビっつったじゃん?アレさあ、後継げるようなヤツいないからさァ、キミやっていいよ。」
「マジすかああ!?」
すると、協会の人は「だが―、」と言ってチクワブを黙らせる。
「ある条件がある。」
「条件・・?」協会の人が一つため息をつくと、再び続ける。
「ホウエン地方にある・・るねシティジムリーダー、ミキュリを倒したらの話だ――。」
「・・はああああ?」
最終更新:2014年08月30日 17:16