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ついに戦闘が始まった。
ダイノーズがジムの地面を叩くと、天井が一気に落ちてくる。
「ちょ待てェェ!早速破壊!?お前ら実は嫌がらせの為に来てんだろ!ええコラ?」
ミキュリは早速ツッコミを入れると、フローゼルに指示を出す。
「かみくだく!」
するとフローゼルは足を踏ん張り、脚力で一気に間合いを詰めてきた。
落ちてくる岩はフローゼルには当たらず、とうとう目の前までやってきた。
「あ、なんか来た。おいチクワ!なんか指示だせやコラ」
「…“ブ”は付けよう。“ブ”は。そろそろオレキレるよ?」
相変わらずのやりとりをすませたチクワブは、徐にダイノーズの脇を抱えて持ち上げた。
途端、チクワブは不敵に笑うと、大きく振りかぶって呟いた。
「…逝ってこい」
「死ねってことかァァァ!」
チクワブはそのままダイノーズをフローゼルに向かって投げつけた。
「何アイツ!自分のポケモン投げたぞ!サディストだ!サディスティックシンドロームだ!」
ミキュリが驚愕の台詞を叫ぶ中、ダイノーズはフローゼルと――衝突した。派手な音を立てて。
そしてチクワブはまたもや不敵な笑いを見せる。
そして、チクワブはミキュリに向かって走っていく。
「ポケモンバトルなんてモンはなァ、トレーナー倒しゃあ終わりなんだよ!卑怯?まさか!戦術家と言ってほしいくらいだバーカ!」
勝手に独りツッコミをしながら叫ぶチクワブ。
そんなチクワブに、ミキュリはツッコまざるを得なかった。
「ポケモンバトルじゃねーよソレ!ただの殴り合いじゃん!ヒューマンバトルじゃん!」
ミキュリはそう叫びながら迎撃態勢をとると、チクワブを睨む。
「オラァァ!」
チクワブが殴りかかった処で――審判の声が割って入った。
「つーか反則じゃァァ!帰れェェ!ポケモン関係ねーよソレ!K1行ってこい!天下一武道会行ってこい!そしてボコボコにされてこい!」
――審判の懐から出された物は、赤い正方形のカード。所謂レッドカードというモノであった――。
「……何やってんのアイツ」
ダイノーズはぼそりと、呟いた。
最終更新:2014年08月30日 17:18