no title
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「か、…勝った……?」
葉がひらひらと舞い落ちる中、1人の少年が呟く。少年は灰色の袖が白いTシャツに、緑色のズボンで赤い帽子をかぶり、赤いマフラーをしていて背には黄色いバッグを背負っている。
―――そこはシンオウ地方の8つのバッジを手に入れて尚、4人の四天王と呼ばれる者達を倒してやっと入れる場所―――そう、チャンピオンの間。
少年はチャンピオンの最後の1匹、ミロカロスを旅立つときにナナカマド博士に貰ったポケモンナエトルの最終進化形態、ドダイトスの〝リーフストーム〟によって倒したところだった。
「…おみごとです。素晴らしい戦いだったわ」
チャンピオンシロナが静かに言う。シロナは身の殆どが、黒いコートで隠れている。首には黒いふさふさした物を付けていた。
少年はボケーっとしていてシロナの言ってることが耳に入ってなかった。少年が聞いていなくてもシロナは喋り続ける。
「―――さあ、そのリフトに乗って!」
シロナが背の方向にあるリフトを指差しながら言う。少年はそこでハッ、と我に返る。そして現状を掴む。少年は歩き始める。…なんか言えよ少年。最初にナナカマド博士にポケモンを勝手に使って謝りに行くときと同じような感じで。
1歩1歩力強く踏みしめる。そしてリフトの前でシロナに迎えられてリフトの上に立つ。
リフトの上に立って2秒ほどしてリフトは上がり始める。ゆっくり、ゆっくりと。
6秒間リフトに揺られてチャンピオンの間の奥の部屋―――殿堂入りの部屋への廊下の入り口前のところでリフトは止まる。
少年はリフトが止まってから3秒程経ってから歩き始める。
殿堂入りの部屋への廊下入り口にまず入る。入ってからもスピードを落とさずに歩く。
左側と右側に等間隔でポケモンの像が置かれている。毎日手入れがされてあるのかほこり等は一切付いてない。足元には不思議な緑色の光が追いかけてくるような感じで殿堂入りの部屋の辺りまで付いてくる。
そして殿堂入りの部屋の3歩手前辺りで少年は後ろから追いかけてくるシロナに気付き止まる。そしてシロナは少年に追いつき、
「この先にあるのが殿堂入りの部屋……」
と言う。…そんなこと判ってます。…暫し沈黙。そして2人はチャンピオンの間から誰かが来ていることに気付く。
―――白衣を羽織った髭を生やした人―――ナナカマド博士だ。
「×××××!さっきの戦い見事だった!」
博士は歩きながらそう言う。
そのまま歩き続け、少年―――×××××の前で止まる。
「あら、ナナカマド博士!」
ちょっと反応が遅いぞシロナ。…まぁいいか。
「うむ!ポケモン図鑑の手伝いを頼んだ子供が、此処まで来た。その成長、見届けるのが当然だろう」
博士は来た理由をたんたんと述べる。はっきり言ってどうでもいいです。博士。
そして少し間を空け再度博士は口を開ける。
「×××××!…なんというか…大人になった!凄く頼もしく見える」
博士はそう言って、シロナがいつもの事の如く
「相変わらず子供がお好きなんですね」
と言う。(あんたら知り合ったの何時だ?)暫し沈黙。そしてシロナが
「5年前ね。…×××××君!こっちに来てくれるかしら」
と言う。地の文に対しての答えは要りませんよシロナさん。てかそんな設定あったか?
「ないですね。…ナナカマド博士もどうぞ」
…わざとですか…わざとですね…酷。…そう言ったシロナは殿堂入りの部屋へと歩き始める。それにナナカマド博士、×××××という順で付いて行く。
殿堂入りの部屋にもポケモンの像が等間隔に、足元には不思議な緑色の光があった。
×××××が殿堂入りの部屋に入った時には既にシロナは一番奥の機械のようなものの前に立っていた。
ナナカマド博士が先に歩き出す。その後に×××××は付いていく。
シロナは奥の機械右側に。ナナカマド博士は左側に立つ。
×××××はその間に入る。そしてナナカマド博士がシロナの方を向き、
「此処は何度来ても自然と背筋が伸びてしまうな」
と言う。…あんた何人、人を旅立たせた?…まぁいいか。そしてシロナがナナカマド博士の方を向きそれに答えるかのように
「ここにはポケモンとトレーナーの直向な思いが沢山残されてますから」
と言う。そしてシロナとナナカマド博士は×××××の方を同時に向く。意気合ってるねぇ(笑)
最終更新:2014年08月30日 17:25