4.混沌たるカオス
授業、つまらん。寝たい。だが当てられる。幸い今は英語ではなく数学だが当てられるだろう。第一数学はよくわからん。教科書仕事しろ。
「じゃあ佐藤君、この問題やってみて」
く、ちょくえが当てられたか……、ピンポイントで俺の列を、しかも列の途中から当てやがる。席順に当てられていったら俺が当てられるまで後2人だな。それを過ぎれば寝れるか。
とか思っていたのが馬鹿らしくなる出来事が起きた。突如スピーカーからサイレンがなったのだ。流石にこれで眠気がさめた。あばよ、睡魔レベル99。
睡魔に脳内で別れを告げているとサイレン音がとまり、教頭先生の校内放送が流れ始めた。ナレーターに起用できそうな深みのある重低音の人だ。本当に深みがあるかは知らんが。
「えー、校内に不審者が侵入、校内に不審者がしんにゅぐえっ、ピーーー、ブツッ」
何のコントだ。何が起きた。
「え、ちょ、え、み、みなさん落ち着いて」
どう見ても落ち着いてない数学の先生が注意するが効果はない。しんにゅぐえっのせいで教室内というか校内がざわついている。一体何が起きたというんだ。
「ね、ねぇ、あれ……何……?」
女子が窓の先を指さしている。外までなんだかわからん事態になっているのか……。とりあえず気になるから外を見てみた。
戦車があった。
砲門を学校に向けていやがる。何だこれは。校内の不審者、外の戦車、これはアレだ、カオス。だから何か近づいてきたこのうるせぇ音は多分戦闘機だな。
ふと窓の外を見直してみたらマジで戦闘機でした。
「ダイナミック眠気覚ましだな」
こう、ただビビってねぇしアピールしかできない。訳わからん。何が起こってるんだ。
最終更新:2014年09月20日 23:22