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直江「うらあああああ!!」
しずく「おらあああああああ!!」
直江としずく、二人の拳が激突する。
その光景はまさに打撃のやり取り、命のやり取り。
熾烈な肉弾戦が行われていた。
直江「・・・その得物は使わないのか?」
しずく「必要、無い!」
直江「そうか」
しずくは斧を使って一気に叩き潰すのも考えたが、
いくらミノタウロスの力を持ってしても予備動作が大きく、不意でも使ない限り一撃を浴びせる事が難しい。
しずく(こいつ、一体何の魔物を宿しているんだ・・・?あの一撃を耐えたという事は《ゴーレム》かその辺りか・・・?)
小銭「クソがよ・・・俺は蚊帳の外かよ・・・!」
小銭は目の前の光景を見て震えていた。
それは恐怖による震えではなく、己の未熟さによる震えだった。
二人の男が拳と拳で命のやり取りをしている。
・・・殆ど、無力な自分を無視して。
小銭は槍を持って震えることしかできなかった。
その時だった。
小銭「・・・わわっ!?なんだこれ!?」
突如、足元から大量の蔓が生えてきた。
その触手は命のやり取りをしていた直江としずくにも襲ってきた。
小銭「やばい・・・くるな!」
小銭は早く気付いて飛翔する事で蔓を引き千切り、最悪の事態は免れたが
直江としずくは一足遅く気づいてしまい、下半身が大量の蔓に絡みつかれてしまった。
?「あらあら、ぶちゃいくが一人逃してしまったわね、まあなんか戦力外みたいだしどうでもいいとして・・・」
森の方から姿を現す。
いくら「私はいくちゃ、アルラウネの力を司る者。」
最終更新:2014年09月25日 16:54