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洋館地下室。
とてもじゃないが、先程まで見てきた小奇麗な部屋とは大違いだった。
意味深な木箱や樽に気味の悪い置物、武器も少なからず置いてある。

エレステ「貯蔵庫か何かか?酒の臭いもするな・・・」

緑好き「本当に孤島なのか、疑っちゃいますよね。」

聖霊「確かにー」ボリボリ

エレステ「なんの音だ!?」バチバチ

聖霊から発せられた異様な音にエレステはすぐに反応した。
右手にデンキウナギの力を宿し、電撃を発生させているが、聖霊の様子を見てすぐに力を収めた。

緑好き「これは・・・ピーナッツですね・・・」

緑好きが木箱に入ったピーナッツをすくって見せる。
こんな事に驚いた自分が哀れで仕方なく、エレステは落胆した。

エレステ「はぁ・・・なんだよ、脅かすなよ聖霊。」

聖霊「ごめん・・・」

エレステが丁度背中にあった置物にもたれかかったその時だった。

?「・・・」ガバァ

どういう訳か、置物がいきなり縦に開き、エレステを丸飲みにした!

エレステ「あぎゃああああああああああああああ・・・」

エレステは抵抗しようと魔物の力を使おうしたが、力が入らない。それもそのはず、全身が既にやられてしまってるのだ、力の出しようがない。
悲鳴が徐々に小さくなり、やがて聞こえなくなった。
そして置物の足元には血液が流れる。
その光景を見た二人は恐怖するしかなかった。

緑好き「エレステさぁぁぁぁぁぁん!!」

聖霊「あ・・・ああ・・・!」

特に聖霊は非常に後悔していた。
自分がピーナッツをつまみ食いしたのが原因でエレステが殺されたのも過言ではないのだ。

聖霊「い・・・嫌だ・・・嫌だあああああああ!!」

恐怖の感情に耐えかねたのか、聖霊は魔物の力を強引に引き出す。
聖霊の全身が発光し、浮遊もしはじめた。

自身の力をまるで理解していなかった聖霊だが、火事場の馬鹿力的な何かが働いたのか、地下室から玄関まで僅か6.7秒程で到着し、外に出る事が出来た。
しかし、あの輝きを間近で目にしてしまった緑好きは、絶大なダメージを負ったのだった。

緑好き「せ、聖霊!!目が・・・くそ・・・目が見えない!」

?「精霊系の魔物、《ウィルオウィスプ》か、小賢しい真似を・・・」

最終更新:2014年09月25日 16:57