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幸いにもエレベーターは動くようなので、六階のボタンを押した。
パトカーのサイレンは依然として鳴り響く。
上昇するエレベーターが三階で止まった。
誰か乗ってくる。
この状況と、先ほどの人型の生き物を見た以上、現状が普通でない事は明らかである。
だとすると、ここで乗ってくるのは人間では無いかも知れない。
咄嗟に身構えた。
エレベーターのドアが開く。
するとそこには、今にも逃げ出しそうな高校生くらいの少女がいた。
これは…人間か?
警戒しながらも話しかける。
「…おはよう…ございます」
すると向こうは少し震えた声で「おはようございます」と返してきた。
よかった、正気の人間だ。
しかし、逃げ出そうとしていた構えからして、心境は明らかに普通では無い。
「…どうぞ」
と言うと、急ぎ足でエレベーターへと入ってくるや否や、その少女は静かに泣き出して、小声で「助けて」と言った。
そう、確かに聞き取れた。
「…どうした?」
尋ねると、「貴方も見たから構えてたんでしょう、あのバケモノを」泣きながら訴えてくる。
全くその通りだ。
一先ず、部屋に戻ろう。
問題はこの子だ。
部屋に入れていいのか?
後から警察に「誘拐犯だ!」とか、目撃者に「ロリコンだ!」とか言われたら俺の人生はゲームオーバーしかねない。
しかし、泣いてる少女を1人でこんな危険な状況に放り出す訳にもいかない。
エレベーターは六階で止まり、俺が降りるとその子もついてきた。
…こうなると、匿う他にないだろう。
俺は「ついて来るか?」と言うと、少女は泣きながら首を縦に振った。
最終更新:2014年09月25日 17:10