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私が目を覚ましたのは耳を劈くようなサイレンの音を聞いた時だった。
うるさいな…何かあったのかな。
とりあえず、おかげですっかり消えてしまった眠気にイラつきを覚えつつ、枕元にあるiPhoneを手に取る。
AM5:17…早く起きすぎたな。
体を起こし、何か飲み物でもと自室から出た時、戦慄した。
リビングルームで母…いや、母であったものが父の顔を触手のようなもので締め上げている。

「イヤっ!」

咄嗟に叫んでしまった。
母だったものが此方に顔を向ける。
目の代わりに職種、大きく避けた口。
バケモノだ。

咄嗟に部屋を飛び出し、誰か助けをと階段を駆け下りる。
しかし、階段の下の二階にも母だったものと同じようなバケモノがいた。
直ぐに三階へ戻る。
誰か、誰かいませんか!
叫ぶが、返事は無い。
ここは危険だ。逃げるしかない。
しかし、上の階へ逃げたところで助かる保証はない。
もし、上の階に頼れる"人間"がいなければ…一巻の終わりだ。
そこで私は誰かに助けを求めるべく人のいる場所へ、マンションの外へと出ようとエレベーターのボタンを押した。
もし、中にバケモノがいたらすぐに逃げよう。しかしどこへ…
そんな事を考えている内にエレベーターのドアが開く。
誰かいる。バケモノ…には見えない。
20代半ばの青年だった。
空手の構えで身構えている。
あぁ…この人も見たのか。バケモノを…。
その青年は挨拶をしてきた。
この状況で挨拶…人であるかを確かめているように見えた。

私は人間だと伝える為に挨拶を返した。
この状況下で初めて目にした人間に安心し、涙が出てきた。
「どうぞ」と青年が言う。
勿論、一人でいるより誰か人間が側に居てくれるだけで心強い。
私はその青年に助けを求めた。

その青年は六階で足早に降りる。
私は貴重な人間について行くべく、同じく六階で降りる。
おそらく、六階には青年の部屋があるのだろう。
部屋に上げてくれるようなので、一先ずは青年の部屋に逃げ込む事にした。

最終更新:2014年09月25日 17:14