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眩しい光が顔を覆った。
うっすらと目を開けるとその光が朝日だったことに気づく。
もう朝か、なんてボソッと呟いてスマホの画面を覗く。
6時だった。どうやら早く起きてしまったようだ。
あれからの事は何も覚えていない。
何で覚えていないのかも分からない。
あれから普段の生活を営んだらしいのだが、記憶にない。
あるのは昨日の不可解な写真のみ。
あれのインパクトが強すぎたせいで他の記憶が飛んだんだろうと自己解釈しつつ、今日の準備を始めだした。
鞄に今日必要な教科書類を入れるまでに10分程度しか経たなかった。
時間の進みが遅く感じることに目を細めて、しょうがないので鈴木はそのまま横になる。
そして、ふと今日の事を考える。
-俺は昨日まで、ずっとアレに対しては興味も示さなかったけども、今ではこの有様だ。
できればこの事を色んな人に話したいけれど、俺には話せる人はいない。
クラスでも孤立しているし-
「ん?そう言や・・・・・・」
そこで彼はふと思い出す。
ある一人のクラスメートであり、唯一の友達の姿を。
かつて、自分がポケガイにその人を誘った、唯一の話し相手の事を。
鈴木はクラスにあまり溶け込めていない人間のようだ。
基本誰とでも話すことがなく、放課後に誰かと一緒に遊ぶこともしない。
アルバイトもしていないから、隣から聞こえる「あ~これからバイトとかダルいわ~」の意味も分からなかった。
たまに話すことと言えば事務的な会話だ。
明日の授業に必要な物は何か、とか「明日小テストあったっけ?」と聞かれることばかり。
今こうして思うと自分はつくづくクラスに溶け込めてないことを実感した。高校生の癖につまらなすぎる、と。
だが、友達が1人もいない訳ではない。
クラスに唯一、もしかしたら学校で唯一の友達かもしれない。
その友達の事を思い浮かべながら、今、通学路を走る。
あれから、結局横になってただけで時間は過ぎた。
いつも通りの生活を過ごす時間となり、朝食を摂って、制服に着替えて、歯を磨いて、外に出たのが今だ。
自分はよく感情をあまり外に出さない人だと思われているらしい。
だが、自分を知る人間が今の彼を見たら意外な顔をするのではないか。
今、鈴木拓海は友達に会いたくて、話したくて思わず明るい笑顔で走っているのだから。
最終更新:2014年09月25日 18:32