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自分でも不思議だった。
普段から笑顔を見せないものであるから、顔の筋肉の動きが普通じゃないことが伝わってくる。
そんな自覚があった瞬間、笑顔がはっと消えた。
だが、足を止めることはしない。
15分程経つと、校舎が見えてきた。
時代が平成になる前に作られた、モダン建築の校舎が。
鈴木は、シンプルすぎる現代的建築の校舎が嫌いだった。
フォルムがつまらない。そんな理由で。
途中で疲れたのか、急ぎ足から元の歩行ペースへといつの間にか戻っていた。
流石にもう急ぐ必要はないだろう。
校門の丁度前に友達の姿が見えた。
目で捉えたその瞬間、鈴木はまたもや急ぎ足となる。
友達めがけて。
「おはようっ!今朝も快調に寝ぼけてんだなーおめぇは」
今までの言動からは想像できない程のハイテンションぶりを発揮している自分がいた。
友達に対してはいつもこの調子だ。
そんな、挨拶と同時に後頭部を小突かれた彼の友達は一瞬、やや迷惑そうな顔をしながら鈴木を見る。
「いって・・・・・・大体、お前が朝からテンション高すぎるんだよ?」
穏やかな口調だった。
はっきりとした目には眼鏡をかけていて、いかにも知的オーラ全開の男子がそこにいた。
彼の名は・・・・・・ポケガイでのハンドルネームは「ああきち」。
鈴木の唯一の友達である人間だ。
当のああきちは鈴木の他にも友達はいるみたいではあるが。
「それで?朝からいきなり目覚ましビンタならぬ目覚ましチョップぶちかましてきた訳だけど、何か良い事でもあったのかい?」
ああきちは一度チラッと鈴木を見ると視線を前に戻して昇降口へと進む。
「ん、あぁそれなんだけどさ。お前にはどーしても言いたかった話があってさー。」
「?それなら携帯に連絡入れてくれてもよかったのに」
視線をこちらに向けないああきちに対し、鈴木は話を進める。
「あぁ、それなんだけどさ。そう思った時はもう夜中だったから昨日言うのは止めといた。」
そう言って一旦区切るかのように少し間を空ける。
「なぁ、お前さ。デスアンカーって知ってるか。」
最終更新:2014年09月25日 18:32