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「ハム太郎! これで本当に終わりなのね! ……ハム太郎!?」

 ハム太郎の異変を感じ取り、ロコちゃんが駆け寄る。
 メテオハムが消滅したことによってハムスター達の突然変異が失われようとしているのだ。
 つまりハム太郎も元のハムスターに戻ってしまう。

「それだけじゃ……ないのだ。僕は……力を使いすぎたのだ。
 もう……お別れ…………なの……だ……」

「そんな! 死なないでハム太郎!」
「ハム太郎!」

「これは……運命《さだめ》なのだ。だから……悲しまないで」

 薄れゆく意識の中、穏やかに微笑むハム太郎。

「ハム太郎ッ!! ハム太郎ーッ!!」

「これからの未来を作っていくのは君達人間なのだ……。僕は……もう、用済みなの……がはっ!」
「喋るなハム太郎! このままじゃ……!」
「イヤーッ!!」

「ロコちゃん……最後は笑っていて欲しいのだ……。泣き顔でさよならなんて……イヤなのだ」

「ハム太郎……!! 分かったわ……」

 涙を拭い、ロコちゃんは笑顔になる。

「ロコちゃん……未来を……どうか頼んだ、なのだ……」

「うん! ハム太郎……! きっと幸せな未来にしてみせるわ!
 明日は今日よりも! 明後日は明日よりも!
 ずっとずっと楽しい毎日に!」

「ありが……とう……なの……だ…………」

 ハム太郎、絶命!!


「ハム太郎ーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!」

最終更新:2014年11月03日 23:57