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 A.D.1999
 そこで起こっていたのはまさしく世界の終わりだった。

 我がガストラ帝国よりも発達していた国々。
 しかしそれらは地底から現れた一匹の怪物により全て消滅してしまうこととなった。
 あのとんでもなく巨大なウニのような怪物は『ラヴォス』というらしい。
 この世界は……将来あんな怪物に滅ぼされてしまうのか。

「ビックス殿……。私は帝国を愛していますが、ガルディア王国のことも好きでした。
 あの国には、いえ、あの世界には争いがありません。殺し合いなんて一切なかったんです。
 そんな平和な世界だったのに……こんなのってあんまりじゃありませんか」

 そうだ。あまりにも理不尽すぎる。
 あんな怪物一匹のために人類全てが犠牲になるなど……。

 …………ん?

「おい、ウェッジ。あれは…………」

 ラヴォスの攻撃で空いた大穴の中に、例のゲートのようなものが見える。
 そこから見えていたのは、ここより更に凄惨なものとなっている世界であった。

 世界の大半が荒野と化していて、あちこちにおぞましい魔物が徘徊している。
 そんな場所は覚えがないはずなのだが……何故か懐かしい気持ちになってしまう。

「まさか、今見えてるこれは俺達が元々いた世界……なのか?」
「え……? ビックス殿、では帝国は一体どこに……」
「分からない。とにかく行ってみるぞ!」

 いざゲートに飛び込もうとしたその時だった。

『ギュルルルルルギュルルルルギュルルルルゥアアアアア!!!!!!!!!!!!!』

 腹を下した時の音が極限まで甲高くなったらこんな感じになるのだろう。
 この世のものとは思えない叫びのような鳴き声が辺り……いや世界中にこだまする。

 ――――ラヴォスの鳴き声だ!

 はっとして前を向いてみると、ラヴォスと目(?)が合った。
 どうやらこっちへ向かってきているらしい。
 早くゲートに飛び込まないとラヴォスに殺される!

 って、いつの間にか俺達の世界へのゲートが消えてるじゃないか!

「どどど、どうするんですかビックス殿!」
「ひとまず時の最果てへ戻るぞ!」

 もしかしたらゲートとラヴォスに何らかの関係があるのかも知れない。
 だからラヴォスが鳴き声を上げた途端にゲートが消滅してしまったのだろう。
 世界を滅ぼすほど大きな力を持った生き物だ。そんな力があってもおかしくはない。

最終更新:2014年11月11日 21:41