52ページ目
「エイラ! なにしてる!」
一度空飛ぶ恐竜に乗ったエイラだが、何を思ったのか降りてアザーラへ駆け寄る。
「こい! アザーラ! こい!」
敵だったアザーラを助けようとしているのだ。
やはり何か思うところがあったのかも知れない。
だがアザーラは、
「だめだ! これは、大地が決めたことだ!」
エイラの助けを拒む。
「…………」
「エイラ! はやく!!!」
アザーラはここで城と共に心中するつもりだ。
その決意はなによりも固いのだろう。
大地の掟、か。普通に考えれば馬鹿馬鹿しいものなのだろうが……
何故だか俺はこの時、エイラやアザーラのような生き方こそ
生物の本来あるべき姿なんじゃないかとも思い始めていた。
「アザーラ。わすれない……」
「未来……」
城から飛び立つ、際の瞬間でアザーラが呟く。
もう話す力もほとんど残されていないようでその声はか細い。
だが崩壊していく城の中で、何故だかその声だけははっきりと聞こえた。
「未来? 未来がどうした?」
エイラが聞き返す。
「未来を…………」
最終更新:2014年11月13日 21:23