第一話
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4月になり新しいクラスになったわけだが、俺はこれまでの2年間と全く同じ生活をするだろう。そう思えた。
去年まで同じクラスだった人も、今年初めて同じクラスになった人も、正直俺には見分けがつかない。
そりゃ、少しくらいはわかる。去年クラス委員を務めていた男女くらいなら顔と名前が一致している。だが、その程度。
俺は他人に興味がないし、他人も俺なんかに興味を持たないはずだ。入学したときは「友達ができない」と悩んだこともあったが、今では友達がいない方がよっぽど気楽だ。
ここまでのことを並べると、俺に友達がいないという結論に結び付けそうだが、そうではない。友達ならいる。が、残念ながらそいつとは結局3年間同じクラスにはならなかったな。
「佐伯、お前今日部室行くだろ?行ったついでに……」
「待て待て、僕は今日部室へ行かない。よって君の頼みも受け付けないよ」
眼鏡をクイッと持ち上げ、そいつは答えた。
「なんで?お前どうせ暇なんだろうが」
「今日は僕の好きなラノベの新刊が発売されるのさ。早く読みたいんだよ。ということで、僕は君の話を最後まで聞かずにここで別れるよ」
そう言い終えるとあっという間に自転車に乗って校門から颯爽と帰宅していった。
そう、一応、こいつ、佐伯純は友達だ。同じ将棋部に入っているだけじゃないのか、と考えたこともあるが、やはりこいつは友達ということでいいのだと思う。
面倒くさいが、部室へは自分の足で向かうことにした。
最終更新:2014年11月14日 22:38