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 回りくどい。実に、回りくどい。とにかくこの男の正体を知りたい。
 他人のことを知りたい、と思うなんて久しぶり、というか初めてかもしれない。うまく言えない感覚だった。
 「拳銃は?昨日使った拳銃はどうしましたか?」
とりあえず、気になったことは聞いておこう。
 「あぁ、君のだったね。返すよ。弾も入ってるからくれぐれも扱いに気を付けてくれよ」
「…………。どうして、これを俺に返してくれるんですか?こんなもの、高校生が持ってていいものじゃないでしょう」
「君のだろう?人のものを盗ったら泥棒だ。君にはこれを返しておくよ」
押し付けられてしまった。こんなもの、持っていてもどうしようもないのにな。

 「で、あなたは誰?どこの誰?」
堀さんは追及する。
「答えられない。すまんな」
男がそう答えると、突然堀さんは立ち上がる。俺から拳銃を取り上げ、その拳銃を『自分』に向けた。
 引き金に指をかけ、言う。
「私の命が惜しいならば、答えなさい」

 俺には意味の分からない行為だった。

 「ほ、堀さん!?ちょっと、落ち着いて……」
「あんたでもいい」
そう言うと、俺の頭に拳銃を突きつける。意味が分からない。
 「わかったわかった、俺の負け。拳銃おろして、質問には答える」
俺は全くその勝負のことが分からなかった。何が起きているんだ?

 「まず、俺の名前は、桐谷京(キリヤケイ)だ。で、まぁ、とある組織で捜査員をしてる。君たちは俺の捜査対象であり、守護対象」
とある組織。そこが分からないとあまり嬉しくない。
「で、堀さん、君は頭が良いね。情報通りだ。君たちに死なれては困るんだ。だけど、もう自分に銃を向けるなんてしないでくれよ?危ないからな」
 なるほど、ようやく理解できた。堀さんの行動の意図が。
 「で、私たちは誰に狙われたのですか?巣山先生は何者なんですか?」
「やれやれ、本当に質問が好きだなぁ。明日答えるってことじゃ、ダメ?」
堀さんは全く動かない。拒否しているようだ。

 「実を言うと、君が誰に狙われているのかは知らない。分からない。それを捜査中だ。巣山は組織の末端の末端の末端のやつが雇った本当に端っこの男だ。あの男はただ金で動いただけだ。意志はなかったんだろうな」
 そんなものなのか。金がもらえれば、人間相手に引き金を引けるのか。それも、自分の生徒に。
 「で、俺が捜査している団体が君たちを狙う理由、それについて話してやろう」
桐谷が自発的に何かを教えようとしている。これは初めてのことだ。珍しいのかもしれない。聞いてやろう。

最終更新:2014年11月14日 22:59