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「……ここは」
 妙だ。自分は何故か生きている。
 今さっき、政府軍と反政府軍の衝突に巻き込まれて死んだはず。戦車の大砲をモロに喰らったもんだから、即死だと思っていた。
 ――思いの外、自分は頑丈なのか。
 男はそんな風に解釈しようとしたが、そうはいかなかった。
 理由は簡単。身体に傷一つ付いていないからだ。例え自分がゴキブリのような生命力を持っていたとて、無傷というのは有り得ない。有り得てはいけない。どこかしら欠損はしているのが普通だ。
「一体……?」
 呂律が回らない。まあ、これくらいの異常が無いと死ぬことより気味が悪い。

「おやおや!起きましたか!」
 自動ドアが開く。入ってきたのは、比較的若い男だった。
「あ、貴方は?」
 今気付いたが、視界も不明瞭だ。男には、彼の容姿がしっかり頭に入ってこない。
「大丈夫です。説明は長くなりますが――」

最終更新:2014年11月18日 23:11