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画像を覗いた瞬間、彼の顔は驚きを隠せない、といった表情でそれを見つめていた。

しかし、実際は顔には出していないだけだ。
彼は内心では呆れていた。
あまりにも拍子抜けだったからだ。

画像の元、管理人の手に握られた携帯の先にはそれぞれ異なるメアドからメールが送られていた、受信ボックスだったからだ。

表情を変えず、画面を見つめたまま、彼は呟いた。
「あの、これのどこがパニックに・・・・・・?」
ボソッと、かつゆっくり喋る鈴木に対し早く気づいて欲しいのか、急かすかのように、管理人は早口でそれに返す。

「まだ気づかないのか。件名とメアドに目が行きがちだが、それ以外にもよく目を凝らしてみろ」

と、言われてもよく分からない。
一体どこがおかしいんだと思ったその瞬間。
彼も気づいた。

「これ・・・・・・途切れることなくメールが来ているような・・・・・・」

「その通りだ。」
管理人もやっとそれに気づいたことに安堵したのか、鈴木の眼前に見せてた携帯を素早く自分のポケットに戻した。

「そういう事だ。この場合、軽く予想して1時間に50件ほどメールが来ていたことになるんだ。それもどれも異なるメアドでね。」

「ちょっと待て、それじゃあこいつはストーカー被害に遭ってたって事か!?」

強い眼差しのまま画面と管理人を交互に見る。
あまりに集中しすぎて何度目を動かしたか記憶にない。

「そうじゃないな。近いけどこれはちょっと違う。業者からだ」
「・・・・・・?」
交互に動かしてた目が管理人の前で止まる。
あまり意味の分からない鈴木に対し、管理人は口を止めない。

「僕もね、証拠品として没収される携帯なんて持ってる訳ないから詳しくは言えないんだけどね、どうやらこのメールはどれも悪質なサイトから来ているものらしい。没収される前にこの目で見たから間違いないよ」

らしい、のか間違いないのか。どちらかはっきりしてほしいがそれだけで十分収穫だった。
はっきりとはしないが段々と見えてきた気がする。

「それじゃあ、誰かがこいつのメアドを悪用して変なサイトにバンバン登録したって事ですか?」
「ビンゴ。その通りだよ」

この時、まさにこの瞬間だった。
熱中しすぎて見えなかった周りが、再び見えるようになったのだ。

最終更新:2014年11月19日 00:05