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青年は目を覚ました。

「あれ?確かワイは母親に刺されて…」

母親に刺された筈の胸の辺りを確認するも傷は無い。

「ワイは死んだ…死んだ筈なんや…此処は何処や?」

目を見回す。煉瓦造りの建造物が並び、人が大勢往来し、多くの商人の周りに人だかりを作ったりと賑わっている。
東に目を向ける。西洋風の城が見える。巨大な、屋根が青い城である。天守と見られる建造物には旗が立っている。見たこともない国旗である。

「な、なんなんや此処は…此処があの世なんか?」

辺りをキョロキョロ見回していると周りの人間が徐々に目線を此方に向けていることに気付く。

周りの人間はどうやら…日本人では無いらしい。髪の色や瞳の色などがバラバラだ。

周りに目線を向けられて青年は自分の格好の異様さに気付く。

「ファッ!?」

左目に眼帯、表が黒で裏が赤のマント、黒尽くめの装束。伸びた長い前髪。

それに腰に刀を差している。日本刀か?
自分の格好を確認した時、青年は静かに口を開いた。

「いい歳してなんだこの格好は…それとなんj民口調はやめた方が良さそうだな。なんjなんて無い世界のようだ。」

周りの注目を浴びている、それも蔑みの目である。

「有象無象共、俺は見世物ではない。失せろ!」

語尾を強調し周りの人々の解散を促し、腰に差している刀を鯉口三寸抜いて威圧する。

人々は青年から目を逸らしてその場から我先にと去っていった。

「これ、顔は変わっているのか?鏡があるところをまずは探すか。」

青年の目に止まったのは紫色のフードを被り、水晶に手を翳している占い師だった。

青年は無言で占い師に近づいていく。

最終更新:2016年10月12日 00:01