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「御用ですか?」
占い師は青年を見るなりゆっくりと口を開く。声を聴く限り女だ。
「水晶を貸してくれ。占いは要らん。」
青年は返事も聞かずに水晶玉を取り上げ、顔の高さまで持ち上げる、
「なんだこの顔は…」
生前の不恰好な顔面とは似ても似つかない。それにすぐに分かる。生前より若くなっているようだ。黒い眼帯が何より目立つ。
「どうやら俺は生まれ変わったらしい。おい占い師。」
「はい。貴方の運勢を占いますか?」
「占いはいい。質問だ。此処は何処だ?」
「ご存知無いのですか?見たところ貴方様は奇抜な格好なのでただものではないと思いましたが…」
「質問に答えてくれ。」
質問に対する答えがすぐに返ってこないことに少年は苛立つ。
「此処はガルガイド王国の王都・ガルドリアです。」
「聞いたこともないな。だがお前の顔を見れば嘘は言っていない。邪魔したな。」
少年は呆気に取られた占い師を尻目にその場を後にした。
「だが困った。生まれ変わったとしても食糧が無くてはまた死ぬことになる。」
少年が途方に暮れて下を向き王都の街を歩いていると前から殺気を帯びた気配を感じる。
「誰だ」
少年は立ち止まり前を見据えると、そこにはブロンドヘアーをポニーテールに束ね、銀色の鎧に身を包んだ女が剣の切っ先を此方に向けていた。
「住民から奇抜な黒尽くめの格好をした不審者が居るとの通報を受けました。まずは身分証を見せなさい。」
女が険しい表情でにじり寄ってくる。
「そんなものは無い。俺は此処に来たばかりだ。持っているのはこの刀だけだ。」
少年は刀に手をかける。
「ということは貴方は密入国者ですね。国法により貴方を逮捕します。大人しく投降しなさい。」
「話を聞いてくれそうにないな。是非も無い。」
少年は抜刀する。
「止むを得ませんね。ですが貴方がたは手出し無用です。」
女は取り巻きの介入を制止する。
最終更新:2016年10月12日 00:01