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獣人は手に冷気を込めて真下の少年目掛けて拳を振り下ろす。

「エルエスクード!」

少年は頭上に透明な障壁を展開させて防ごうとするも破られる。

「チッ!」

拳を刀で受け止め、その衝撃は周囲を巻き込んだ。

「傷は深いけど…致命傷ではないみたい。腹部に受けたのが運が良かったわ。よく助けに来てくれたわね。」

「団長の危機とあらばどんな時でも駆けつけますよ!それが我ら騎士団の役目です!」

少年は獣人が話している隙に後ろに下がり距離を取る。

「新手か。」

「お前よくも団長を!何者だ!」

狼の獣人が短剣を抜いて切っ先を少年に向ける。

「それは俺が聞きたいくらいだ。その女にはいきなり密入国者だと言われ絡まれた。俺は火の粉を払おうとしただけだ。」

「とぼけるな!自分が誰かくらい、名前くらい分かるだろ!」

「この世界に来たばかりなんでな。知ったことではない。」

「いい加減にしろこの野郎!」

獣人が凄まじい冷気の塊を少年に放つ。

「縛道の八十一 断空」

だが、断空は冷気の塊を受けて破壊された。
少年は目を見開いて攻撃を受けてしまった。

「クソッ!調子に乗るなよ獣風情が!」

「来い!斬月!」

少年が叫ぶと刀は出刃包丁のような形に姿を変えた。

「月牙天衝!」

斬月を振り下ろし、青い霊圧を放出しそれが斬撃となって獣人を直撃するが、獣人は腕に冷気を込めて斬撃を振り払った。

「団長を傷つける奴は俺が許さない!」

獣人は魔法陣を頭上に出現させる。

「アイシクルブリザード!」

冷気の魔力を空へと打ち上げ、それが少年へと降り注ぐ。

「範囲が広い!広いが攻撃は俺のみを狙っている…!」

「月牙天衝!」

斬撃を放つが防ぎきれず、冷気と無数の氷の塊が少年を襲った。

最終更新:2016年10月12日 00:04