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「月牙天衝!」
天鎖斬月から赤黒い斬撃が放たれる。声ともとれぬ悲鳴を上げてドラゴンが仰け反るがすぐに体勢を立て直す。
ドラゴンの口から巨大な魔法陣が現れて魔力を集中させる。巨大な冷気の魔力は最大になって放出された。
「月牙と黒虚閃の合わせ技だ。食らうがいい。」
ドス黒い霊圧を天鎖斬月の切っ先に溜めて放出する。双方の力が激突して大爆発を起こし、王都の空は水色の冷気とドス黒い霊圧に覆われた。
「間髪入れずに行くぞ。黒虚閃!」
今までにない規模の大きさの黒虚閃がドラゴンを直撃し、ドラゴンは悲鳴を上げて地に落ちていく。
だがドラゴンは死に物狂いで口から先程よりも巨大な冷気の魔力を少年に放つ。
「月牙天衝!」
しかし斬撃は冷気に押される。少年は防ぎ切れずにまともに攻撃を浴びた。
「凍らされてはかなわん!これで消えてもらう!」
「雷霆の槍(ランサデル・レランパーゴ)」
緑光の槍を作り出すと、それを振り上げて地に落ちていくドラゴンに狙いを定める。
「あの巨大な魔力のような物…まずいわ!あれを落とされたら王都…いえ国が吹き飛ばされるわ!」
女が表情を強張らせる。
女の声に応えるようにドラゴンは力を振り絞って再び天に舞い戻り、少年の手から離れた光の槍を、巨大な魔力の冷気を吐いて相殺しようとして受ける。
王都全体に響くようなドラゴンの叫びと共に光の槍は爆発し、王都の空を緑光で覆う。
「エイジス!」
女がドラゴンに向けて叫ぶも緑光の爆発は天に広がり続ける。
「少々力を使い過ぎたか。初戦はこんなもので終わらせねばな。まだ慣れていない。」
そう言って少年は顔の仮面と斬魄刀の解放を解き、爆発に巻き込まれる前に地に降りる。
「あの獣人は相当だ。これで死ぬかも分からない。さっさと去った方が良さそうだ。」
「待ちなさい侵入者!」
少年は瞬間移動…正確には高等歩法…瞬歩でその場を離れて後にした。
女は傷口を押さえながらほぞを噛んだ。侵入者の逃走を許したことがない彼女の誇りは大きく傷ついた。
そして部下を傷つけられ、守れなかった己の無力さを呪うのであった。
最終更新:2016年10月12日 00:07