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「絶大な魔力を持ち、剣の腕も相当なもの。才色兼備の誉れが高く、気高くて誇り高い王国中の憧れの存在です。戦でも決闘でも未だに負け知らずで騎士団を束ねる力も高く、彼女の一声で士気は高まります。未だに侵入者や犯罪者を取り逃がしたこともありません。」

「妙に敵を褒めるな。いやお前にしたら敵ではないか。だがそんな奴も今日俺を取り逃がしたわけだが。」

少年は立ち上がって湧いていた湯を二つのコップに注いで紅茶を淹れる。

「貴方はとんだイレギュラーですね。騎士団は全力で貴方を捜索するでしょう。今日は此処で休んで明日は王国領から出ましょう。」

出された紅茶を少女を飲み干す。

「お前もついて来るのか?危険だからやめた方がいい。」

「王国領ではもう貴方は身分証を発行出来ません。貴方は犯罪者ですから。そういった手続きのやり方も知らない上にお金も持っていない、道も分からない貴方を1人にするわけにはいきません。」

真剣な眼差しで言う。

「…すまんな。だが王国では身分証が無いと答えると侵入者扱いされたのに他の国で発行出来るのか?入国出来るかも分からないぞ。」

「それはガルガイド王国は特に他所者に厳しく警戒を強めている国だからです。そこは問題ありません。グリーン王国には伝手がありますから。そろそろ夕食の時間です。食堂に行きましょう。」

(グリーン王国?聞いたことあるような名前だな。いや、まさかな。)

生前の記憶を辿りながらある男を思い出す。直接関わりがなかったが、いろいろな意味で印象的な男であった。

(グリーン王国の国王は多くの妻や妾を抱えてハーレムを築いている男かもな。生前の世界では性春童帝だったが。)

どうでもいいことを考えている内に腹の虫が鳴る。そういえばこの世界に来てから何も食べていないことに気づいたのである。

最終更新:2016年10月12日 00:10