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「結局あの女の名前、聞いてなかったな。俺も名前を教えていない。身分証も見せていないしな。」

城から出て城下へ下るとふと少女のことを思い出すが、すぐに頭から離れていく。

「おい、そこのお前!」

近くで声がするが此処はグリーン城の城下町である。人ごみなので誰が誰を呼んでいるかは分からない。少年は気にせず家を目指して歩く。

「無視すんな!そこの黒尽くめの男!」

その言葉で自分が呼ばれていることに気付く。声が聞こえた方向を探すと、中くらいの身長の筋肉質の男が立っている。

「俺に用か?」

「俺だよ。水素だよ。」

「何?お前が水素だと?」

男は水素と名乗る。生前親交のあった男の1人だが、やはりこの男も生前と姿が変わっていた。

「積もる話もあるが、ここじゃ人ごみだしあれだな。俺の家に来いよ。」

「しかし何故俺だと分かった?俺はお前に名乗ってないし生前と姿も変わっているが。」

「ニュースに映ってたお前が使ってたの、あの某漫画の技だろ?それに厨二病丸出しの格好だ。お前だってすぐに分かるよ。さあ行こうぜ。」

家に帰るつもりであったが思わぬ出会いがあった。少年は水素に付き合うことにした。

最終更新:2016年10月12日 00:19