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「お前と李信が戦ったのではないのか?」

「俺達に戦う理由は無い。忍術を使う謎の男が現れて李信との戦闘を求めてたんだ。俺はその忍術使いと戦ったんだ。」

記憶を思い起こしながら水素は説明する。

「お前と其れ程の戦闘を繰り広げるとは、かなりのやり手のようだな。」

「ああ。今まで戦った中で一番強かったと思う。多分あいつは他国の間者だ。」

「わざわざ派手な戦闘に及ぶ間者とな?」

ぐり~んが首を傾げる。

「あわよくば李信を捕縛して主国に引き渡そうと企んでたんだろう。そうはさせなかったがな。」

「して、お前ならば当然倒したのだろう。そいつの身柄はどうした?」

「奴は分身を使って俺と戦ってた。本体は何処かに潜んでいたんだろう。」

「もういい。分かった。それと実はな、李信。」

水素の報告を受けたぐり~んは黒尽くめの少年…李信に向き直る。

「恐らく水素と戦った忍びが報告したんだろう。諸国にお前がこのグリーン王国に居ることがバレた。」

ぐり~んが口惜しそうな表情で伝える。ぐり~んは説明を続ける。

「ガルガイド王国からの使者が先程訪ねてきた。お前の身柄を引き渡せと言ってきおったわ。」

「面倒なことになったな…。」

李信も苦虫を潰したような表情に変わる。

「安心しろ。もちろん断った。お前は俺の民だ。絶対に売るような真似はしない。」

ぐり~んが力強く李信を励ます。

「すまん。この恩は忘れん。」

「よくやってくれたな水素。当分の間、お前には李信と行動を共にしてもらいたい。万が一ということも考えなければならないしな。」

「分かった。任せろ。」

ぐり~んの頼みに水素が首肯する。

「それとだな。」

「まだあるのか?」

ぐり~んがバツの悪そうに切り出す。水素がそれに応じる。

「領内に謎の化け物か現れた。Bランクのクエストだ。お前達2人で事に当たって欲しい。我が国の騎士は皆国境警備に出払っているからな。お前達だけが頼りだ。詳しくは集会所で聞いてくれ。ではな。」

そう言うとぐり~んは玉座を立って奥の間へと去っていった。

最終更新:2016年10月12日 00:26