36ページ目
グリーンバレー国門前 グリーン王国とガルガイド王国の国境付近
「何故国際指名手配犯の身柄引き渡しを拒まれるのですか?奴の存在は今や国際問題、危険人物です。」
金髪ポニーテールの女騎士が国境を警備しているグリーン王国の騎士団長に詰め寄る。
「国王陛下のご命令だ。いくらガルガイド王国の要請と言えど此処はお通し出来ないし、あの少年は我が国民なので渡せないとの仰せだ。」
緑色の甲冑に身を包み、緑色の鞘にしまわれた大剣を背負った騎士団長が堅く道を閉ざす。後ろには数百人の騎士が従っている。
「貴殿、ガルガイド王国第二騎士団長のエリス・グリモワール殿だな。貴殿はあの少年に深傷を負わされて取り逃がし面目を失ったと聞く。私怨で執着するとは騎士の風上にも置けないぞ。」
「これは私怨ではありません、任務です。国王陛下にグリーン王国に居る国際指名手配犯の身柄確保を命じられています。速やかにお引き渡し下さいますよう、国王陛下にお取り次ぎをお願い致します。」
「何度取り次いでも陛下のお考えは変わらない。お引き取り願おう。」
エリスは一時退却を配下数百人の騎士に命じ、付近の丘で陣を張り野営することに決めた。
グリーン城 王の間
「ガルガイド軍の一隊が国門から退却し、付近の丘で野営を始めました!」
「ご苦労、下がって良い。」
「ハッ!」
伝令兵がぐり~んに報告し去って行く。
「これは威嚇ですな。李信の身柄を引き渡すまで奴らは帰らないつもりですぞ。それにあの団長は李信のせいで面目を失っていますから必死でしょう。」
「だからと言って李信を渡すわけにはいかん。ガルガイドもしつこいなぁ。」
ぐり~んがぐり~ん2号の話にため息をつく。
「奴らは暫く根負けしないでしょう。国境に近い王都に李信を居させるのは危険なので遠くの化け物退治を命じたのは英断でしたな。しかしこのままというわけにはいきますまい。」
ぐり~ん2号がこの状況を危惧している。
「李信には水素がついているし、更に追加で奥地での任務を与えるつもりだ。結局その場凌ぎにしかならないが。」
「陛下、私に考えがあります。」
ぐり~ん2号が道を貸せとジェスチャーするのでぐり~んが耳を傾ける。
「成る程、それは名案だな。早速手配してくれ。」
ぐり~んは相槌を打つ。「畏まりました。」とぐり~ん2号は王の間を退出した。
最終更新:2016年10月12日 00:36