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(クソッ!ザ・ワールドを使っても止められるのは数秒だけだ!それに数秒でこの広い範囲から外れて逃げ切れるわけがない!この状況じゃザ・ハンドを使っても対応が追いつかない!)

「クッ…うおおおおおお!」

小銭は必死で虚閃を受け止めているが、光の壁は次々に破壊されて最後の一枚になった。

「もう駄目だぁぁぁ!!!」

星屑が死を予感して叫びを上げた時である。突然虚閃の連射が止み、豚仮面の体は宙で吹っ飛ばされていた。

「!」「!」

星屑と小銭が驚いて宙を見上げると、空高く跳躍して豚仮面に拳を叩き込んだ水素の姿があった。

「星屑、小銭!お前達は強い!凄く強い!だがお前達はこいつとは相性が悪い!こいつは俺がやる!」

下の星屑と小銭に聞こえるように大きな声を出す。

「結局最後はあいつが美味いところをもっていくのかよ…けど助かったぜ…。」

「あの豚野郎は俺達の手には負えない。俺達は十分戦ったんだし休もう。」

星屑と小銭は命が助かった安堵と勝てなかった悔しさを胸に、李信が居るフィールドの恥まで下がった。

「2人とも大奮闘だったな。奴はどうだった?」

李信がほうほうの体で隣まで来た2人を讃える。

「自分の力を過信し過ぎてたよ。俺が最強なんだと信じて疑わなかったからな。」

「俺も星屑と同じだよ。それがこの有様だ。ところでお前は某漫画の能力や技を全て使えるんだろ?ならあいつと同じことが出来るんだよな?」

星屑と小銭は自分の甘さを思い知った。

「喰虚(グロトネリア)は使えるが俺は1人も喰ってないし奴みたいに命が沢山あるわけでもない。奴は特別だ。」


「やっぱり最後は俺が出てこないといけないみたいだな。ヒーローは遅れて登場するってやつだ!決着をつけるぜ豚野郎!」

下で3人が言葉を交わしている間に豚仮面は再生を使って水素の目の前まで舞い戻ってきていた。

最終更新:2016年10月12日 00:46