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小銭がマケドニア王イスカンダルの銀色に輝く甲冑に身を包む近衛兵団を召喚し、辺りは固有結界が作り出す心象風景である砂漠・荒野が広がる。
「蹂躙しろ!」
小銭の号令で大地を覆い尽くす銀色の塊が波打つようにガルガイド軍に押し寄せる。
「な…なんだこれは…!突如多数の敵の援軍が…!ええい怯むな突っ込めぃ!」
第一騎士団の団長が剣を振り翳し先頭切って銀色の塊にその身を投じる。
「ガハァッ!」
低い悲鳴を上げながら団長が落馬する。胸を槍で貫かれていた。
「この軍勢は将兵1人1人が魔力を持つ無双の軍勢だ。蟻が3万匹集まって向かって来ようと踏み潰すのは赤子の手を捻るようなもの。」
マケドニア軍が雄叫びを上げながら指揮官を失い指揮系統が麻痺したガルガイド軍の先鋒を押し戻し、逃げ散る敵兵を容赦無く突き伏せていく。
先鋒部隊の混乱は攻撃命令を受けてグリーン軍に突撃せんと移動を始めた第二軍と第三軍にも波及し、大混乱に陥った。
先鋒部隊を散々に打ち破ったマケドニア軍が獲物に追い縋る獣の如く第二騎士団率いる第二軍に迫り来た。
「怯むな!今こそ我ら王国騎士団の力の見せ所!国王陛下への忠義を示し、蛮族共を討ち滅ぼすべき時!命を惜しまず名を惜しめ!」
迫り来るマケドニアの大軍を前に第二軍を率いるエリスが剣を掲げて将兵を鼓舞する。
「オォォォ!」という猛りが荒野に満ち、第一軍壊滅の混乱により徴兵された兵の多くが逃亡し半数となったとは思えない士気の高ぶりを見せた。
「いいぞお前らー!そのままやっちまえー!皆殺しだー!」
小銭が第一軍壊滅の光景を後方から眺めて馬車から身を乗り出す。
しかし稲妻のような光がマケドニア軍の先頭に落ち、一気に数十人のマケドニア兵が倒れて動かなくなる。
「私はもう、失敗するわけにはいかない!」
エリスの魔法によるものだった。マケドニア軍のワンサイドゲームだった戦の様相が一変した。
最終更新:2022年09月04日 15:56