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「それは出来ません!こいつを倒さないと王国の平和は守られない!こいつは必ずまた牙を剥いてくる!陛下が身罷られた今、王国を再建するには奴は障害なんです!これは俺の我儘です!一生に一度の俺のお願いを聞いて下さい!」

エイジスは頭を上げずにエリスに訴える。

「上官である私に手を上げたり、告白したり、我儘言ったり…貴方はいつからそんな騎士道精神に外れたみっともない男になったのかしら?」

エリスは涙を浮かべてエイジスの頬を両手で持って、深々と下げていたエイジスの顔を持ち上げた。

「ここまでしたんだから、必ず生きて戻ってきなさいよ!これは上官としての命令よ!この命令だけは絶対に守ってもらうわ!破ったら絶対に許さない!」

「承知致しました!このエイジス、必ずやこの者を討ち果たして戻って参ります!」

エイジスが一礼して李信の方に向き直る。エリスは残兵に退却を呼び掛けてガルドリアを目指して落ち延びていく。

「冗長で安っぽい茶番劇は終わったか?」

李信が冷徹な笑みを浮かべてエイジスを煽る。

「てめえを…倒す!俺には待っている人が居るんだ!」

エイジスが腰の剣を抜く。

「俺はそういうのが嫌いなんだ。虫唾が走る。此処で失せれば見逃してやろうと思ったが気が変わった。お前には借りもある。此処で俺の手で殺してやる。」

李信も腰の斬魄刀を抜く。

「手出し無用だ!こいつとはサシで決着をつける!」

周りに手出し無用と大声で叫ぶと李信は指先に霊圧を込めた。

「縛道の六十一 六杖光牢」

李信の指先から放たれた光が飛びかかろうとしたエイジスの動きを封じる。

「縛道の六十三 鎖条鎖縛」

更に、光の鎖でエイジスを縛る。

「体が…動かない…!」

エイジスがいくら足掻いても体はビクともしない。

「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり否定し 痺れ瞬き 眠りを妨げる 爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち 己の無力を知れ」

「破道の九十 黒棺!」

長い詠唱が終わると、エイジスを黒い直方体の霊圧が取り囲む。

最終更新:2022年09月04日 16:05