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狼の時よりも大きな咆哮が轟き、蛇龍と化したエイジスの魔力が急激に上昇する。そして蛇龍は舞い上がる。
「無想・樹海浸殺」
蛇龍の姿となりテレパシーのようなもので相手に言葉を伝える。蛇龍が空から急降下し、凍土と化している地面を腕で叩く。
無数の蔦が凍土を破って現れ、李信を球状に取り囲む。
「悍ましい量の魔力量…!これが最強騎士・フェンリルの力…!俺は甘く見ていた!この底知れぬ力は何だ!この俺が…ここまで…!」
李信を取り囲んだ蔦から無数の枝が生え、枝は体の内側から凍らされつつある李信の全身を突き刺した。枝を伝って蔦から李信の血が流れ出している。
「終わった。あれを喰らって生きていた奴に俺は会ったことがない。帰ろう、待っている人の所へ。」
エイジスの脳裏に自分の帰りを待つ人々の顔が思い浮かぶ。エリス、リーナ、咲…戦自体に負けはしたが、国王の仇を討って堂々と凱旋出来る。
そのことで胸が一杯になった時である。
「それが…貴様の全力か?」
李信の声が聞こえる。禁忌とされている必殺奥義まで使って倒した相手の声が。
無数の蔦と枝が炎で焼けて灰になる。中からは倒した筈の李信が今までにない霊圧を纏って現れた。傷も塞がっている。崩玉の効果であろう。
「この俺をここまで追い詰めたその実力…やはりフェンリルの名は伊達ではないようだな。だが、俺の力はまだまだこんなものではないぞ!」
「まだ生きてやがったのか!しぶと過ぎる!お前は一体何なんだ!」
「最強の霊圧をもってして生まれ変わった絶対の存在、それが俺だ!」
爆発させた霊圧を一気に流刃若火に流す。
「 卍 解 」
霊圧と炎の巨大な火柱が発生し、近くに居るだけのエイジスにとてつもない熱気を発する。
「残火の太刀」
始解時の爆炎が消え、焼け焦げたような斬魄刀が出現する。
「そんなものがお前の本気か!?」とあまりにもみすぼらしい刀を前にエイジスをその刀を嘲笑する。
「残火の太刀は始解である流刃若火の炎を全て刀身に凝縮した最強の卍解だ。お前の攻撃も、防御も、俺には通用しない。」
「ならそれが本当か試してやる。氷神の息吹(ブリザードフォース・ディバイン・バースト)」
エイジスの口腔に巨大な冷気の魔力が集まり、それが極太のビームとなって放出される。
「残火の太刀 西 残日獄衣」
李信の全身を炎の衣が包み込む。エイジスの攻撃は炎の衣に直撃すると一瞬で蒸発した。エイジスによって作られた辺りの凍土も同様に蒸発し消え失せる。
「この残日獄衣は太陽の中心に等しい1500万度の炎熱の衣。触れるどころか近づく者さえ消滅させる。」
エイジスは辺りが異常に熱いことに気づく。蛇龍となった体の隅々から滝の様な汗が流れ出ていた。
「だがこの残日獄衣を前に息をしていることは認めよう。普通ならば骨や灰すら残らない。」
「無想・氷樹海浸殺」
最終更新:2022年09月04日 16:08