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グリーン王国 グリーン城にはガルガイド王国の内乱の報がもたらされていた。

「ガルガイドで王位を巡る内乱か…ご苦労であった。下がって良い。」

「はっ!」

伝令を下がらせたぐり~んはぐり~ん2号に王国内の主だった将を集めよと命じた。

「何?俺にも召集命令?」

ガルガイド王国との戦いの功により与えられた李信の屋敷を水素が訪ねていた。

「お前この前の戦いでのことでアテにされてるんだろうなー。俺にも召集がかかってる。星屑と小銭にも命令が出たそうだ。」

「この間のはただのまぐれなんだが…。条件も整ってたしな。アテにされても困るぞ。」

李信が困惑した表情を見せる。

「だが召集がかかっちまったもんは仕方ない。行くぞ。」

「まあ能力バトルなら望むところだ。ガルガイドの戦うなら今度こそフェンリルをこの手で殺す機会が訪れるからな。」

「いいから、早く城に行くぞ。」

それから2人はグリーン城に急いで向かった。

2人がグリーン城大広間に到着すると、既に並み居る将が座についていた。

「おう、お前らも来たか。」

2人の姿を見て声をかけたのは星屑である。小銭も隣に座っていた。2人もその隣の座についた。

「また戦だ。今度こそ俺が大活躍する絶好の機会が訪れたのさ。今度こそこの手で強敵を倒せるんだ。ワクワクすっぞ!」

そう話している内にぐり~んが広間へ入ってきた。将達は深々と頭を下げて迎える。

「皆、話は聞いているだろう。ガルガイドで内乱が勃発した。次期王位を巡るサバとかっしーの争いだ。そして今、俺はグリーン王国の使者と会ってきた。」

グリーン王国の使者と聞いて広間はざわめく。「静粛にー!」というぐり~ん2号の制止で再び静まった。

「グリーン王国のかっしー派は我らと盟を結びたいと言ってきた。これについてどう思うか、お前達の意見が聞きたい。何なりと申してみよ。」

「その申し出は断り、グリーン王国に攻め込んで内乱と先の敗戦による国力衰退の隙をつき、滅ぼして領土を拡大すべきだと思うぜ!」

立ち上がって発言したのは小銭である。王の軍勢を持つ彼なら一気にガルガイドを潰せると思ったのである。小銭の発言に賛意を示す将が「そうだ。」「それがいい。」と口々に言い始める。

「いや、待て。」

異を唱える太く短い声が上がる。李信であった。

「直江、俺の意見に反対なのかよ?」

小銭の言葉に「そうだ。」と言った後に続ける。

「サバの背後にはランドラ帝国の存在がある。此処でガルガイドの全てを敵に回せば例えガルガイドを滅ぼしてもランドラと単独で戦うことになる。この国にそれだけの力があるか?」

「俺もそう思う。それよりもかっしー派を味方につけて戦い、共同でサバ派やランドラと戦った方がいい。かっしーを勝たせてガルガイドを残さなければランドラの次の標的はこのグリーン王国だ。サバが王になればガルガイドの全てが実質ランドラの物になる。それは避けなければならない。」

アティーク将軍も李信に賛意を示すと、意見が割れた広間に緊張感が走った。

「グリーン王国に速やかに攻め込んでいくらかの領土を得ればランドラとも戦えるではないか!お前達2人は臆病風に吹かれているのだ!」

将の1人が李信とアティークを指差して罵倒する。

「領土を得てもすぐに兵の動員は出来ない。それは難しいだろう。」

アティーク将軍がそう答えるとその将は黙り込んだ。

「じゃあサバ派やランドラに与すると言っておいてさっさと兵を出して切り取れるところまで切り取って力をつけて、残りのガルガイド領を手に入れたランドラと戦うのは?」

星屑が意見を出すが

「無駄に領土欲を出して国力が高いランドラをグリーン王国だけで対応するより、ガルガイドをかっしーに継がせてランドラを牽制させた方がいい。」

李信が星屑の意見を否定する。

「大体お前、フェンリルを殺したいんじゃなかったのか?」

「確かにそうだが、事態が事態だからそうも言ってられない。」

李信の答えに小銭は口を噤んだ。

「陛下、ご決断を。」

ぐり~ん2号がぐり~んに決断を促す。

「我がグリーン王国はかっしー派と盟を結び、サバ派と戦う!各々、すぐに戦支度をせよ!」

ぐり~んが決断すると、一同は深々と頭を下げた。国の方針が決定すると、ぐり~んはすぐに客室に控えさせていたガルガイド王国の使者と面会した。

「我がグリーン王国は貴殿らと盟を結び、かっしー殿を王位に就ける為に戦うと決定した。」

「お聞き届けいただき、ありがとうございます。」

「して、同盟の条件は?」

「はっ、これに」

使者はぐり~んに書状を手渡した。ぐり~んは書状を読み始める。

「一、金1000000000Zをグリーン王国に献上するもの也
二、かっしー即位の暁には、ガルガイド領グワダタウンを以南グリーン王国に割譲するもの也
三、盟の証として、お互いに人質を出すもの也。
四、グリーン王国は2万以上の軍勢を率いてガルドリアのガルドリア城に来援すること。」

ぐり~んは書状を読み終わるとそれを畳んで机に置く。

「この条件で承知した。かっしー殿にはそう伝えよ。」

「はっ!ありがたきお言葉!」

ぐり~んは盟を承諾した旨の書状をしたためると、それを使者に手渡した。

「良きに計らえ。」

ぐり~んの言葉に一礼した使者はそのまま退出し、風のように過ぎ去っていった。

グリーン軍25000人がグリーン城に集結したのは翌日午後のことである。グリーン軍が前回よりも多くの動員が出来たのは、密かにぐり~んが間者を放ってランドラ帝国に噂を振りまいていたのである。

「ランドラ帝国の西にある幻影帝国がランドラ帝国に攻め込もうとしている。

これを警戒したランドラ帝国は兵の相当数を幻影帝国との国境に割く破目に陥り、グリーン王国は西のランドラ帝国との国境に置いていた多くの兵をこちらに回すことが出来たのである。

李信、水素、小銭、星屑の4人はグリーン軍総大将を務めるアティーク将軍の本軍に加えられた。

「これより我らはかっしー派の軍と合流する為、ガルドリアへ向かう!出陣!」

アティーク将軍の号令で、25000のグリーン軍は動き出した。その日は王都を出てグワダタウンに着陣したのである。

最終更新:2022年09月04日 16:15