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「速やかに出撃し、サバ軍1万が籠るクワータリア城を落とす。ランドラ軍は4万とは言えまだ到着まで3日はかかる。それまでにクワータリアを占拠し、クワータリア周辺の去就を決めかねている豪族を引き入れる。その後敗北したサバ軍が合流し士気が下がっているランドラ軍を叩く。」
李信は自分の意見を堂々と話す。
「ちょっと待て。籠城はしないのか?」
「ランドラ帝国は幻影帝国との国境に兵を割いたとは言え、一大強国だ。とりあえず4万を派遣してきたがまだ全兵力ではない筈。これ以上多くの援軍が見込めないのに籠城しても戦には勝てない。」
かっしーの質問に李信が答えた。敬語はない。相変わらず無礼で常識のない男である。
「いや、此処は籠城して敵が疲弊するのを待ち、一気に反撃する作戦を取るべきだ。」と反対意見を述べたのはかっしー派の平行である。
「座してランドラ軍がガルガイド領に侵攻し版図を広げるのを許してはこちらが不利になる。クワータリアを落として野戦で敵を叩き、此方に勢いをつけるのが肝要だ。」
「ガルドリア軍の平行だ。お前の作戦は危険な賭けだ!話にならない!」
「一旦守勢に入れば兵力で劣る此方は一気に不利になる。それが分からないのか?」
「このガルドリア城は桑田国王が築いた堅固な城だ。学の無いFランが偉そうに語るな!低学歴低能のお前の言うことは信用出来ないんだよ!」
「彼女にDVされる顎、お前のような奴が全体の足を引っ張るのだ。黙っていろ。」
「黙れ不細工低学歴!」
李信と平行が作戦を巡って激しく対立し口論に発展した。
「控えよ平行!グリーン王国の李信殿に無礼であろう!」
かっしーが平行を叱りつけた。
「お前も平行殿に謝れ。味方同士で啀み合うなと先程エイジス殿に自分で言ったのをもう忘れたのか?」
アティーク将軍も李信を叱り、平行と李信はお互いに礼をして口を噤んだ。
「俺も直江に賛成だわ。城を守るだけなんてつまんねーじゃん。俺の出番無くなるじゃん。俺はたたかいに来たんだよ!それに城じゃなくて外なら俺のあのクラスカードが活きるぜ!兵の数だって敵を上回るあれが!」
小銭が立ち上がって発言した。
「俺も守るのはつまんねーから出撃に賛成ー。」
星屑が怠そうに便乗する。
「外で戦おうぜアティーク。こいつの言う通りなんじゃね?城に篭ってどうすんの?」
水素も続く。
「ガルガイド軍のお歴々は如何ですかな?」
アティーク将軍がガルガイド側の将に意見を求める。
「俺は平行に賛成だ。危ない橋を渡って、万一その野戦に負けたらどうすんだ?手堅くいくべきだと思う。」
「ぷろふ、お前は城に篭って男子トイレを覗いたり、一箇所に集まった男を物色したいだけだろ。」
「そんなんじゃねえよ!」
水素に思わぬ指摘をされて怒るぷろふ。
「かっしー様、ご決断を!」
焦れた平行がかっしーに決断を煽ぐ。
「平行には悪いが今回はグリーン王国軍の方々の言うことに一理ある。李信殿の作戦を取る。」
かっしーがそう答えると落胆して座り込んだ。
「かっしー殿がそう言うなら俺もその作戦に従おう。」
アティークも賛同し、戦は出撃策に決定した。作戦が決まると陣立てが発表され、軍議は終わった。出撃は3時間後と決定した。急であるが、ランドラ軍が来るまでにクワータリアを落とさなければならないスピード勝負だからである。
軍議が終わり各々が進軍の支度をしていると、アティーク本軍と共に居る李信をエイジスが訪ねてきた。
「フェンリルか、まだ何か用か?」
李信が鬱陶しそうにエイジスを見る。
「済まなかった。」
エイジスが謝罪の意を口にした。
「アンタが直江さんだなんて知らなかった。アンタを本当の密入国者だと思ってた。アンタを殺さなきゃこの国を守れないと思った。誤解したままアンタを殺すところだった。」
「…。」
エイジスの謝罪を聞いて李信が真顔になる。
「俺を知ってるのか。フェンリル、お前は何者だ?」
「俺はエイジス、氷河期だよ。」
「…そうか。」
李信はそう言ったきり、その場を立ち去ってしまった。
水素が李信を追いかけ、こう言った。
「お前さんの復讐は 本日をもって終了だ。」
「少し黙れ。」
李信はそのままツカツカと歩いていった。
最終更新:2022年09月04日 16:19