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「やっぱ大したことねえなお前。」
プラズマを受けて無傷の水素が平然と突っ立っていた。
「フンッ!」
オルトロスが落ちている小石を弾丸の様に投げつけて水素の胸部に直撃するが傷一つつかない。
「俺ベクトルとか難しいことよく分かんねえけどとりあえず、反射能力ってことはさ…」
オルトロスが気づかない内に水素が背後に回る。
「連続普通のパンチ」
水素がオルトロスに拳を連打するが、パンチの衝撃が水素に跳ね返ってくるのみである。オルトロスがその際に水素に触れようとしたが間一髪のところで避けられた。パンチの衝撃を跳ね返された水素は無論無傷である。
「なんかちょっと思ったんだけどさ、お前俺に攻撃してみてよ。」
「何だと?まあいい、どうせてめえは俺には勝てねえ。おらよっ!」
オルトロスが落ちていたサバ軍兵の槍を高速で投げつけるも、またもや水素に避けられる。
「もっとだよもっと。それじゃ足りねえよ。」
水素が右手の人差し指を自分に向けてクイクイと動かし挑発する。
「てめえもしかしてドMか?」
オルトロスが後ろに跳び下がり、城壁の一部を破壊して持ち上げると、水素に向けてそれを投げる構えをとる。
「そこだ!」
水素が素早くオルトロスの脇に現れ、拳を繰り出す。
「あぶねえ!」
オルトロスが運動能力のベクトルを操作し高速でそれを避ける。捨てられた城壁が音を立てて地面に落下する。
「ははーん、お前の弱点分かったわ。」
水素がニヤリと笑う。
「お前は攻撃と反射を同時には行えないんだ。だからお前が攻撃する瞬間に俺の拳を叩き込めばジ・エンドだ。」
水素がオルトロスを指差して得意げな表情で能力の弱点を言い放つ。
「それが分かったから何だっての?運動エネルギーを操作してもっと速く移動すれば…」
オルトロスが目にも止まらぬ速さで水素の目の前に現れ、無反動で拳を突き出す。
「おしまいだよな!」
オルトロスの拳は水素を捉えていた…と思っていた。
「まさかの残像かよ!」
「ざんねーん。お前の速さはまさに理屈だけど俺の身体能力は理屈じゃないんだよね!」
オルトロスの頭上に現れた水素が拳は叩き込もうと突き出す。
「馬鹿め!お前の拳に触れてお前を!ってあぶね!」
オルトロスの攻撃は水素より遅かった。急いで反射ベクトルに戻し、水素の拳を防いだ。
「いつまでこのやり取り続くんだ?ワンパターンで飽きてきたぞ俺は。それに理屈とは言えやっぱお前のベクトル操作速すぎて攻撃を喰らわせられん。」
水素は最初は自分の拳を受けて無傷だった敵に会えて高ぶったものの、戦闘のワンパターンさに開き始めていた。
「俺はてめえさえ足止め出来ればいいんだよ。別に倒さなくてもな!」
オルトロスが目的を吐く。
「でも氷河期…つかエイジスがサバのところに向かってるぜ?あの自称副管理人終わったな。あいつはあの死神漫画の能力を持つちょく…じゃなかった直江に勝った実力者だからな。」
「氷河期ってあの赤髪野郎がか。へえ、死神漫画の能力持ちに勝ったねえ…。でも終わったのはあいつだな。」
水素とオルトロスが膠着した戦いの中で互いを煽り合う。
「強がるのはよせよ。あいつに勝てる奴はそうそう居ねえ。」
「そうそうは居ないかもしれねえが全く居ねえわけじゃねえからな。そいつはヘタすると俺より強い…ってことは絶対ねえがかなり強い。」
「まだ城内に実力者が居るのか。面倒なことになってきたな。」
水素の表情が曇る。
「ああ、ついでにてめえにも退場してもらわねえとな!」
オルトロスが水素の後方上に現れ指を突き出す。水素はそれを難無くかわした。
最終更新:2022年09月04日 16:21