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「俺の冷殺剣が通じない…」

「ボサッとしてるとこの糸で斬り刻むぜ?」

赤牡丹が両手の指から出している糸をしならせてエイジスを切り刻もうと、右へ左へ動きしていく。エイジスはそれを素早い身のこなしで5回程避け、反撃に出る。

「ブリザード・ディバイン・バースト!」

小刀の切っ先に魔力を込めて冷気の波動を放つ。波動はカンガタストリングの糸を全て凍てつかせ、その先の赤牡丹の腕も氷漬けにした。

「エイジストラッシュ!」

休むことなく攻撃を繰り出す。高速での連続斬りを試みるが、エイジスの刃が赤牡丹に届く前に体が凄まじい引力で地面に突っ伏していた。

「グラビトン。重量を操る能力だ。すぐに押し潰してやる。」

赤牡丹が手を上に上げるとそれを振り下ろす。

「ジャイルグラビテイション」

重量が強まり、エイジスの体は地面にめり込む。

「分かったか?上には上が居るんだよ!世の中を舐めてるからこうなる!」

赤牡丹がエイジスに近づき、右手の掌を向ける。

「くたばれ。第四波動!」

赤牡丹の掌から炎熱の波動が放たれた。

「神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)」

突如飛んできた光の矢により、第四波動はエイジスに直撃する寸前で打ち消された。エイジスはその爆発を氷の壁を作り、魔力を注いで辛うじて防いだ。

「誰だ戦いに横槍を入れる奴は。」

赤牡丹が矢が飛んできた方向を見上げるとそこには厨二病趣味丸出しの黒尽くめの眼帯少年が1人。

「さあ、能力を見てから当ててみるといい。」

城壁の上から飛び降りて赤牡丹の前に立つ。

「戦いに水を差されるのは愉快な気分じゃないな。」

「敵の気持ちなんて考えると思うか?」

李信が右手の掌から虚閃(セロ)を放つ。

「第四波動!」

赤牡丹の第四波動と李信の虚閃がぶつかり合う。しかし虚閃は打ち消され、第四波動が李信に向かってくる。

「縛道の八十一 断空」

鬼道の防御壁を展開して第四波動を防ぐ。

「直江氏、そいつは見た能力や技を増幅コピーする能力を持ってる!迂闊に技を使っちゃダメだ!」

後ろのエイジスが立ち上がり注意を促す。

「そんな反則級の能力を持ってるのか。ならいろいろコピーされる前に倒さないとな。」

「待て氷河期、今こいつを直江氏って呼んだか?」

赤牡丹が李信の名前を聞いて動きを止める。

「そうだ。お前二次元派の仲間なら流石に直江氏とは…」

「虚閃(セロ)」

エイジスが言いかけたところで増幅コピーした虚閃を赤牡丹が李信に放った。

「縛道の八十一 断空」

虚閃は断空を突き破り李信に命中する。

「俺は赤牡丹。アンタが直江氏でも容赦はしねえ。現実世界とこの世界は違うんだよ!」

「成る程、赤牡丹さんか。だが敵に回るというなら仕方ない。此処で消えてもらうぞ。」

虚閃の直撃を耐えた李信が指先に霊圧を込める。

「縛道の六十一 六杖光牢」

最終更新:2022年09月04日 16:32