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「申し上げます!我が隊の最前列の数名が敵の弓隊により射られました!」
「かあやた。」
ぃょぅ隊の伝令兵の報告がぃょぅに闘志を掻き立てた。
「ち○く○ー!」
ぃょぅの号令一下、2000のぃょぅ隊が動き出した。対するのはかっしー軍の先鋒・リキッド隊2000である。
リキッドは激怒はした。
「誰だ仕掛けたのは!ι[`_`ι]彡」
「カタストロフィ殿にございます!キシッー!」
庭師の報告を聞くなり、リキッドはいきり立った。
「おのれこのリキッドを差し置いて!かかれー!ぃょぅ隊を揉み潰すのだ!ι[`_`ι]彡」
リキッドの命令でリキッド隊2000が突撃を開始した。
リキッド隊とぃょぅ隊がぶつかることで、戦場全体が動き出したのである。
「俺は負傷して参加出来ないエリス団長にこのガルガイド王国第二騎士団を任された。そして直江氏にはこの戦いにおける大役を任された…!2人の期待に俺は応えなければならない…!」
エイジスは自分に託された重大責任を改めて実感していた。緊張で胸が高鳴っている。全身が震えている。武者震いだと自分に言い聞かせるも、手から流れるように噴き出す汗が止まらない。馬の手綱が手汗で湿っていく感覚が、より一層エイジスの心臓の鼓動を早めている。
昨夜の回想
「氷河期さん、平行。呼び出したのは他でもない。我らグリーン・かっしー連合軍の左翼が明日展開する作戦を貴殿らに説明する。」
李信は左軍の部隊を率いるエイジスと平行を自分の陣所に呼び出していた。
「学の無いFランが立てる作戦に従わなきゃならないのが癪だが、お前の作戦を用いるとかっしー様やアティーク将軍が決めたからな。仕方ない。」
平行がそう言いながらも仏頂面をしていた。
「平行さん、そういうこと言うなよ。ここまで全て直江氏の作戦通りに事が進んでるじゃないか。俺達の命運はこの人に賭けられているんだ。」
エイジスが横から平行を宥める。
「氷河期さん、ありがとう。明日の我ら左軍の作戦を説明する。
我ら左軍8000は、敵右軍8000とぶつかることになる。俺の3500と平行の2500の計5500で敵右軍の攻撃を全て受け止める。その為に全軍に防御陣地の構築をアティークやかっしーに命じさせた。」
李信が絵地図を広げて指揮棒で叩きながら説明を始める。
「直江氏、俺は?」
エイジスが当然の疑問を吐き出す。
「貴殿には大役を担ってもらう。2000の兵を率いて崖に隔てられたこの間道を通り、敵右軍の側面を突き崩して欲しい。」
「おいその間道って敵に気づかれないのか?」
平行が横から尋ねてくる。
「出入口をカモフラージュする為の工事を命じ、完成させてある。氷河期さんが敵右軍を突き崩せば、正面の我らも守りから反撃に出る。右軍を突き崩せばその敗軍は敵総大将の1人であるサバの本軍の方へ逃げ込むだろう。戦場西は敵にとって丸裸になり、サバ軍は敗走兵の影響で混乱する筈だ。」
「そして、サバを討ち取るのか!」
エイジスが前屈みになる。
「いや、それで討ち取れる程甘くない。敵は中央軍の何割かを西の守りに回して我ら左軍にぶつけてくるだろう。」
李信は一呼吸置くと続ける。
「だがそれでいい。そうなれば敵中央軍は手薄になる。中央軍にはその時まで守りに徹するよう伝えられている筈だ。その時をもって中央軍には攻勢に出てもらう。」
「だがそれだけで勝てるかな?敵の方がそもそも数は多いんだぞ。」
口を挟んだのは平行である。
「敵右軍の崩壊が敵全軍に波及する。味方右軍には我が調略さえ実れば必勝の策を伝えてある。右軍が敵左軍の攻撃を跳ね返せばもう勝ちは見える。」
「どういうことだよFラン。」
平行は一言余計に付け加える。
「敵総大将の1人セールと、サバ派の将まさっちには内応を確約させてある。我らが狼煙を上げれば奴らを山を駆け下りて敵を攻める。そういう手筈になっている。」
「奴らの内応は確実なのか?」
平行は半信半疑である。
「奴らは莫大な利で釣ってある。敵が勝った時以上に奴らに与える恩賞よりも確実だ。それは調べがついている。後は我らが有利に戦いを進めるしかない。それが後押しとなる。」
李信は作戦の説明を終えると一息ついた。
「おいおいそんな賭け要素の強い作戦が成功するのか?やはり俺の言う通り籠城策の方が良かったんじゃないのか?」
平行は最後まで疑いの姿勢を崩さない。
「為さねば敗れ去るのみ。作戦にケチをつけるより作戦の成功の為に戦うのがお前の役目だ平行。もう賽は投げられている。」
「チッ…」
平行は舌打ちすると仏頂面のままそっぽを向く。
「俺はアンタを信じる!アンタがこの国を救ってくれると!大役、果たして見せる!」
エイジスは平行と真逆の態度で胸を叩き返事をする。
「勝つぞ。俺達の未来の為に。軍議は以上だ。各々、持ち場に戻り明日に備えよ。失敗は許されない。」
回想終了
エイジスは李信の指示で間道に入った。間道から敵の側面を突く指示を待っているのである。因みにこの間道は敵からは死角になっている。この戦場を選んだのも、この戦場に敵を引きずり出す為の準備も、全て李信の策だった。
リキッド隊とぃょぅ隊がぶつかり合うことで、戦火は戦場全体に飛び火した。
オルトロス、ゆかり、味噌カツの敵右軍が味方左軍の李信と平行に襲い掛かったのである。兵力差は2500。数の上では不利な戦いであった。
李信の部隊3500にはオルトロスとゆかりが、平行の部隊2500には味噌カツが押し寄せた。
「キモ男さん、あれを。」
押し寄せてくる5000の敵部隊を防ぐ。この決戦を想定し、李信は借金をしてまで入手した物がある。部隊の副官であるキモ男を呼ぶと、キモ男は配下に銘じて大砲を引いてきた。
「放てー!」
轟音と共に砲弾が発射された。弾はゆかりの部隊に命中し、炸裂する。一気に数十人の損害を与えた。爆散したゆかり隊将兵の血と肉片が断末魔と共に戦場に飛び散る。
「よし、だが大砲は一発放つのに時間がかかる。敵は多少怯むが数に物を言わせて押し寄せてくるぞ。引きつけてから矢を放て!」
李信が下知を飛ばすともう1人の李信隊副官・ポルクが弓隊に矢をつがえるよう命じる。
敵が堀まで押し寄せてくると命を下した。
「放てー!」
弓隊が一斉に矢を放つ。矢は放物線を描いてオルトロス隊とゆかり隊の兵を射倒していく。
最終更新:2022年09月04日 16:35