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「申し上げます!味噌カツ様お討ち死に!味噌カツ隊は平行隊に追撃され、此方に敗走しております!」

サバの本陣にもこの報は伝えられた。山の頂から戦場右を見渡すと、散々に打ち破られて追われている味噌カツ隊の姿がはっきりと見える。

「味噌カツがやられたかあの役立たずめ!中央軍のピザ屋隊3000を右軍に回せ!中央軍はそのまま攻撃の手を緩めるな!柵を突破しアティークとかっしーを討ち取るのだ!」

サバの命令を伝えられた伝令兵がピザ屋の陣に馬で駈け去っていく。

指揮官を失った平行隊は逃げる味噌カツ隊を追撃していたが、李信の指示があった為の追撃を中止して防御陣内に戻ることになった。味噌カツを討ち取り味噌カツ隊を撃破したことで、敵が中央から新手を此方に割いてくると読んだ李信が、伝令を通じて平行に守りに専念しろと言ったのである。

「柵内に戻る!次なる敵の来襲までに引き倒された柵を立て直すのだ!」

平行隊は再び守りを固めるのであった。


同じ頃、オルトロス隊とゆかり隊の攻撃を受けている李信隊は苦戦していた。オルトロス隊のぱしろへんだすの活躍により、李信隊は一の柵を突破されて二の柵に下がり、必死に敵を食い止めていた。

「こうなったらアティークの本軍に後詰めを要請するしか…」

李信隊副官のキモ男が切り出す。

「平行が味噌カツを討ち取り、敵中央を薄くしたのに我らはアティークに助けを乞うことになっては俺の面目が…!いや、今は面目に拘る時では無い!分かったキモ男さん、すぐに使者を遣わしてアティークに後詰めを…!」

言いかけたところで戦場に異変が起きた。瞬く間に李信隊の槍隊が竜巻に屠られていくのである。

「何処だ李信隊の指揮官は!俺がお前を殺して一気に勝負をつけてやる!」

敵指揮官のオルトロスが能力を発動し、一気に勝負を決めに来たのである。

「オルトロスか!キモ男さん、ポルクと共に此処を死守してくれ!俺が奴を倒して戦局を変える!」

李信はキモ男に一方的に指揮を任せる旨を告げると、オルトロス目指して飛び出していった。

「仕方ない、直江さんの面目を潰すことになるがアティーク将軍に後詰めを要請しよう。おい、頼むぞ!」

キモ男は傍で控えていた兵を呼び、使者として遣わした。

どのみち、オルトロスを倒さなければ策は為らない。李信は自隊を掻き分けて前に飛び出した。

「俺がグリーン王国軍の将・李信だ!」

「そこに居たか敵の指揮官!赤牡丹の仇を取ってやる!」

オルトロスが運動エネルギーをベクトル操作して高速で李信に向かってくる。

「破道の六十三 雷吼炮」

鬼道の雷はオルトロスを逸れてオルトロス隊の兵を呑み込む。

「こっちだ!」

オルトロスが背後に回って拳を突き出す。しかし拳は六角形型の白い防御壁に阻まれた。

「ミジョン・エスクードだ。俺に背後からの攻撃は通用しない!」

李信が抜刀し、背後に向かって振り向きざまに薙ぎ払うが、オルトロスの姿は既にそこには無い。

「こっちだよ間抜け!」

頭上からオルトロスから拳を振り下ろす。

「外殻静血装(ブルートヴェーネ・アンハーベン)」

血装(ブルート)の紋様が外に出現し球体の防御壁でオルトロスの攻撃から身を守る。

「効いてねえ!」

「俺にお前の能力は通用しない!俺は物理法則ではなく霊力で戦う者!ベクトル反射は無意味!」

「八爻双崖」

李信が外と隔絶された結界を展開する。

「簒奪聖壇(ザンクト・アルタール)」

更に李信は聖なる光の領域をオルトロスの周囲に作り出した。

「これで2人きりだ。将兵に遠慮なく全力でお前を討ち取れる!」

「ほざけ!霊力だからってベクトル反射や触れることによる攻撃は効かねえかもしれんが…!何?能力が出さねえ!」

オルトロス自分の身に起こった異変に気付いた。大気を集めてプラズマを作り出そうとするも、能力を発動することが出来ない。

「簒奪聖壇(ザンクト・アルタール)は相手の能力を奪う技だ。お前はもう無能力者なんだよ。」

李信が大気を集めてプラズマを作り出す。

「お前が俺にしようとした技で、お前を殺す!」

「ま、待て!そんなチート技反則だろ!」

オルトロスが怒りに任せて怒号を飛ばすも、力を失ったオルトロスに最早為す術はない。

「死ね。」

李信の掌に集められたプラズマがオルトロスに頭上から落とされた。

八爻双崖が解除される。再び景色は戦場へと戻る。両軍の将兵の怒号と悲鳴が耳を刺激する。

「サバ軍武将オルトロスをこの軍王国の李信が討ち取った!」

「これはいい能力を手に入れたな。オルトロスには感謝せねば。」

李信がオルトロスを討ち取り、李信隊は勢いを取り戻す。ぱしろへんだすが李信隊を猛攻しているがオルトロスの戦死を聞いて態勢を立て直す為に退却を開始した。

指揮官を失ったオルトロス隊が混乱し始める。だがオルトロス隊は退かない。ぱしろへんだすの他にオルトロス隊を受け持つ者が留まり踏ん張っているのだ。更にゆかり隊の猛攻が続いている。

だが息を吹き返した李信隊はゆかり隊を跳ね返し始めた。李信隊の槍隊がゆかり隊の騎兵を馬防柵で勢いを封じてから突き崩していく。更にオルトロス戦死の報でゆかり隊も混乱をきたし始めた。

「キモ男さん、アティークに再度使者を送れ!後詰めは無用と!」

「承知!」

オルトロス隊が力を失い始めた今、アティークの後詰めは不要になった。自身の面子もあるが、万一の為に総大将の兵は全体の為に温存したいのが李信の本音だった。

「今だ!ゆかり隊を押し返せ!」

ゆかり隊との攻防において前線部隊を指揮しているのは李信につけられた与力・マロンである。

「しぶといオルトロス隊を突き崩す!氷河期さんに合図を送れ!」

近くの兵に命じて狼煙を上げさせた。

「直江さんの合図だ!者共かかれ!オルトロス隊を殲滅する!」

エイジス隊が間道の出口からオルトロス隊の真横に出現し、オルトロス隊の左側面を突いた。不意を突かれたオルトロス隊は浮き足立つ。エイジス率いるガルガイド王国第二騎士団の騎兵が次々に混乱するオルトロス兵を突き伏せる。

「何事だ!」

「右側面が敵の別働隊が突如現れ攻撃に曝されています!エイジスの部隊です!」

ぱしろへんだすが側面の異変に気付き、伝令の報告を受ける。

「このままでは正面と側面からの挟撃ではないか!殿は俺が務める!退却するぞ!」

ぱしろへんだすは素早く断を下し、オルトロス隊は退却を始める。

「俺が追撃する!キモ男さんはゆかり隊を頼む!」

「承知!」

李信は1000の手勢を率いて逃げるオルトロス隊への追撃に移る。オルトロスを討ち取り勢いに乗る李信隊がオルトロス隊に追いすがり、討伏せていくが、ぱしろへんだすが獅子奮迅の働きで李信隊を跳ね返す。

「あの男が邪魔だ!俺がやる!」

「我は鋼なり、鋼故に怯まず、鋼故に惑わず、一度敵に逢うては一切合切の躊躇無く。これを滅ぼす凶器なり。鉄血転化!」

別働隊を率いて側面攻撃を行っているエイジスがオルトロス隊を切り伏せ続け、隊の指揮を第二騎士団の士官に任せてぱしろへんだすに向かって単騎斬り込みを開始する。

最終更新:2022年09月04日 16:36