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セール隊の裏切りにより、背後と正面から攻撃を受けることになったいぬなり隊は、壊滅寸前の状況だった。自らの部隊と敗残兵を合わせて8000以上居た中央軍は、もはや3000以下に減っていたのである。

「申し上げます!社員様お討ち死に!味方左軍壊滅!」

いぬなりにもたらされる更なる凶報。いぬなりは此処で死ぬ覚悟をより一層硬くした。

「いぬなり様、此処はお逃げ下さい!セール隊の先鋒と星屑隊、リキッド隊、小銭隊がこの陣に迫っています!」

「此処で逃げたら敵がサバ様の所へ雪崩れ込むではないか!少しでも時間を稼ぐのだ!サバ様が落ち延びる時間を!」

側近の言葉を否定し、自ら剣をとって戦い続けるいぬなりだが、ついに最期の時が訪れた。

「そこに居るのはいぬなり殿とお見受けする!」

「如何にも俺がいぬなりだ!」

「我こそはセール家臣・ハンペル!いぬなり殿覚悟ー!」

セール隊のハンペルがいぬなりの剣撃を受け流し、刀身が黒と紫に彩られたロングソードをいぬなりの胸部に突き立てた。

「セール…この裏切り者め…!」

いぬなりの遺骸から首が切り取られ、天高く掲げられた。

ランドラ帝国軍の部隊長の1人・ぃょぅ。彼にも最期の時が迫っていた。

「そこに居るのはぃょぅだな!俺は星屑!死んでもらうぞ!」

「かあやた。」

ぃょぅは星屑相手に剣を向け、魔法陣を展開して火炎系魔法を撃ち出すが、星屑のスタンド・クリームの前では無力だった。

「せめて痛みを感じることなく安らかに眠れ。」

ぃょぅは暗黒空間に呑み込まれた。ぃょぅの死により、中央軍は完全に戦闘不能に陥り壊滅したのである。

サバ・ランドラ連合軍の中央軍を撃破したセール隊、リキッド隊、星屑隊、小銭隊 更には敵右軍を壊滅せしめたぷろふぃーる隊、水素隊、まさっち隊が逃げるサバを追いかけるべく戦場西へと移動を始めた。

落ち延びていくサバを追い、左軍の李信隊、エイジス隊、平行隊がトラウマ率いる3000の殿部隊に殺到していた。更に右側面から中央軍や左軍を撃破した味方の部隊が駆け付け、トラウマ隊の側面を攻撃し始めた。

「もはやこれまでか…。サバ様は無事に逃げられただろうか。」

いつの間にか味方は屍の山を築き、自分1人が敵中に孤立していた。

「お前がトラウマだな。現実世界ではよくも俺に変なあだ名をつけてくれたな。俺がお前を殺してやる。」

「ほざけこの雑魚が!」

トラウマの水を纏った斬撃が李信の胴を斬りつける。だが傷を負ったのは李信ではなくトラウマだった。

「何故!斬ったのは俺の方だ…」

「オルトロスから奪った力は実に便利だな。トドメだ。」

深い傷から血を流して項垂れるトラウマの肩に触れ、血液を逆流させる。全身から血が噴き出し、トラウマの息は止まった。

時刻は既に夕方4時になっていた。アティークやかっしーから各隊の将に使者が派遣され、戦闘の停止命令が伝えられた。夜間での追撃は大いなる危険が伴い、ランドラ帝国の動きも読めないからである。

クワッタの戦いはかっしー派とグリーン王国の大勝利で幕を閉じたのである。

最終更新:2022年09月04日 16:44