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「お前、これを狙ってわざと……!」
「拳だけで殺せるんだってな! 俺にもワンチャンあるってわけだ!」

ぐっと拳を握りしめ、【るく】の顔へ一撃。確かな手応えは、【坂田】に自信を取り戻させた。連続して、【るく】の顔へと拳を叩き入れる。もがく【るく】だったが、彼の拳を防げるだけのスタミナは、もはや残ってはいなかった。

「――く、くそおおおお!」
「俺は負けない、負けないっ!」

渾身の一撃を、【るく】の顔へとたたき込んだ瞬間――【るく】の両腕がだらりと垂れるのが見えた。
SUVでのダメージ、銃撃でのダメージ、ライフルによる打撃のダメージ、そして拳のダメージ……すべてが蓄積した【るく】の体力ゲージは、カラになった。

「はあ、はあ……やった、やったぞ……」

殴り続けた拳はしばらくの間、開くことが出来なかった。緊張と興奮が入り交じり、【坂田】は頭がふらふらとした。それでも身体にむち打って立ち上がる。【るく】は動くことはなかった。間違いなく、彼を倒したのだった。
ライフルを回収して、SUVへの側へと近寄っていく。そこには未だに目を覚まさない【福永】の姿があった。【坂田】は、息を整えながら、おもむろに彼の胸元のポケットからPDAを取り出し――。

「ここまでやったんだ。……生き残るためだ、たとえ悪魔とだって手を組んでみせる!」

作業を終えた【坂田】は、ちらりとPDAの画面を見た。どうやら丁度、午後8時からの立ち入り禁止エリアの情報が送られてきたようだ……。その内容を見たとき、【坂田】は目を見開き、驚かずにはいられなかった。
A~E、U~Yの盾列、1~5、22~26という、大幅な追加だった。つまり……三嶋の野郎は、進行が遅いのだと言いたいのだろう……そう【坂田】は思った。


【残り21名】


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最終更新:2014年01月26日 13:09
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