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夜8時頃――――。
俺は指定された場所に向かった。

昼間いた子供も南達も特区に家に帰ったせいか、辺りは驚くほど静まり返っていた。
暫くじっと待っていたが、誰も現れない。
それどころか物音一つ聞こえない。

 「おい、俺を呼んだ奴、出てこい!」 
取り敢えず叫んでみたが、やはり相手は現れない。
俺がそろそろ帰ろうかと思い始めたそのとき――――。

ガサガサ

近くの木の影から物音が聞こえた。
どうせ野生のクルミルとかフシデとかだろうと思い、軽い気持ちでそれに近寄った。
次の瞬間、突然巨大な何かが俺に襲いかかった。
辛うじて避けたが、再びそれは攻撃を仕掛けてくる。
それもなんとかかわした。
しかし、一歩遅ければ命に関わっていたかもしれない。

暗がりではっきり見えなかったが、それは確かにポケモンだった。
手持ちにポケモンがない今、俺には逃げる以外選択肢はない。
しかし、俺は運悪く相手が橋への入り口側に回るよう躱してしまったらしい。
仕方なく、森の方へ向かって逃げることにした。


10分くらい逃げ回っただろうか。
ポケモンはしつこく俺につきまとう。
対する俺はもう汗だく。
足が悲鳴をあげているのが分かるが、休ませてしまうと今度は体全体が悲鳴をあげてしまうかもしれない。

 「どわっ!」
突如、俺の後ろで何かが地面に衝突し、衝撃が足に伝わった。
その衝撃は俺をすっ転ばせ、更に足を痛めつけた。
 「く・・・やべぇ」
ポケモンはいつの間にか俺の目の前に立っていた。
どうやら先程の衝撃はこのポケモンの攻撃だったらしい。

 「ここまでか・・・」
俺は死を覚悟し、目をつぶった。
そこへ―――
 「戻れ、ゾロアーク!」
懐かしい電子音と共に赤い閃光が頭上を飛び、目の前に立っていたポケモンを吸収した。
 「あらららららららららららららら。ごめんなさい、呼び出しておいてこんな目に遭わせてしまって・・・」
何処かで聞いた覚えのある声だ。
しかし、今はそんなことどうでも良かった。
助かった喜びだけが全身に伝わる。

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最終更新:2014年01月30日 22:26