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「く、くそ、もう俺の手元に戦えるポケモンはいない・・・!」
「さぁ、約束通り南のチラチーノを渡してもらおうか」
しかし、下っぱはなかなかボールを離さない。
「せっかく強い駒を捕まえたのに・・・!」
「はよ返さんかいドアホ」
中々返さない下っぱに一言押そうとしたら、別の人の声がかかった。
「何処だ・・・?」
「約束ごとは必ず守れ。それが我らD.D、いや男のポリシーやろ。分かったらそのDボール速く渡さんかい」
その声の持ち主は、近くの建物の3階にいた。
窓から顔をだし、頬杖をつきながら此方を見下ろしていた。
「ひっ、すみません十魔様!」
下っぱは慌てて此方にDボールを投げた。
俺はボールを受け取ったあと、中からチラチーノを救出し、ゾロアークにそれを破壊させた。
Dボールの呪縛が解けたチラチーノは理性を取り戻した後、此方に戻ってきた。
「そうそう、それでよい」
十魔と呼ばれた男は窓から飛び下り、見事に俺の目の前で着地した。
「彰!」
運悪く、このタイミングで南と博士が遣ってきた。
「・・・あ、チラチーノ」
俺はチラチーノとモンスターボールを南に渡すと、十魔の方に目を戻した。
「誰・・・?」
「知らない」
十魔は暫く下っぱと話をしていたが、やがて此方を向いた。
橙色の髪に黒いD.Dのスーツ。
しかし、黒いマントをしていてサングラスはかけていない。
この容姿から下っ端ではない。まさか・・・。
「自己紹介が遅れたな。わいは紅恋十魔。D.Dの幹部や」
「幹部!?」
声をあげたのはアラララギ博士。
「まぁ、今日はちょいと用があってヒウンシティに来たんやけど、もうその用は済んだ。
あんたらのポケモン奪ったりはせーへんから安心せえ。
ほな、またご縁があったら会おうや」
十魔は此方に手を降りながら去ろうとした。
「待って」
博士が彼を呼び止めた。
「貴方達の目的は何? なんで他人のポケモンを奪うの?」
十魔は暫く考えてから言った。
「あんたに話す必要はないで、アラララギ博士」
そう言って彼と下っ端は姿を眩ませた。
「なんでポケモンを奪われたんだ?」
ジムの通へ向かう途中、南に訊いてみた。
「夜、セントラルエリアを歩いてたら怪しい人がスリムストリートに向かうのが見えて、それで追いかけたら突然バトルを申し込まれて・・・」
「負けたのか?」
「うん、それでもモンスターボールを手放さないでいたら、後ろから何かで殴られて・・・」
「奪われたのか・・・」
「災難だったわね。一人で帰れる?」
「多分・・・」
アラララギ博士が訊くと、南は元気なさそうに答える。
やはり不安なのだろう。
「博士、この子をアジトにつれてっちゃいけませんか?」
D.D.Dの人に彼女を保護してもらおうと考えた。
博士は暫く考え、南は首をかしげる。
「できる限り一般人には知られたくないんだけど、まぁ今回だけよ」
「ありがとうございます」
「ねぇ、アジトって?」
「まぁいいからついてこい」
南は大人しくついてきた。こんな彼女珍しい。
最終更新:2014年01月30日 22:40