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「へー、此処か」
俺らはついにD.D.Dのアジトへ辿り着いた。
確かになんか変な広告の看板が建っており、これなら目立ちもしない。
おまけにこの通りは人気も少ない。
 「こりゃ最高の隠れ家だな」
 「フフッ、まあね。さぁ、中へ入るわよ」
博士に促され、俺らは建物の中へ入っていった。


一階は誰もいなかった。
無人のカウンターとソファ、TVが置いてあった。
奥にはエレベーターがあり、そこから2階へ上がるのだろう。
そしてそのエレベーターにもロックがかかっており、パスワードを入力しないとドアが開かない設定になっている。
 「パスワードは1227。特に覚え方とかないから、よく覚えといてね」
覚え方がないのに、覚えておいてとは何事だ。
まぁ、たったの4桁なので覚えにくいわけでもないが。

エレベーターが2階で扉を開くと、そこには思った以上に多くの人間がいた。
広さは一階と同じくらいなのだが、10人くらいいるせいでずいぶん狭く見える。
 「皆、ただいま」
アラララギ博士が軽く手をあげると、人々は「おかえりなさい」と口々にする。
 「あれ、その子達は・・・」
隊員の一人が俺らを指差して言う。


 「そうね、紹介するわ。彼がかつて無敗と呼ばれたポケモントレーナー、流崎彰くん。さっきスカウトしてきたの」
すると、その場にいたほぼ全員が感嘆を漏らす。
 「彼があの!」
 「D.D.Dに入ってくれたのか!」
 「再びポケモンを使えるようになったんだな」

しかし、一人だけ違うリアクションをする者がいた。
 「あああああー!! 彰!」
そいつの顔はずいぶん最近見たことがあった。
そして、これまでも何度も見てきた奴だった。

 「つ、翼!? お前なんで此処に!」
 「そりゃこっちのセリフだ!」
二人の会話で、その場にいた全員が沈黙した。
 「あら、二人とも知り合い?」
その沈黙を突き破るように、アラララギ博士が口を開いた。
 「えぇ。同じ高校のクラスメイトです」
横をちらっと見ると、南も驚いた顔をしていた。

 「くっそー、まさかお前が入隊してくるとは・・・。しかもルルちゃんまで」
俺と翼が落ち着いたところで、その場にいる全員が中央に集まった。
 「南は入る気はないよ。な?」
しかし、彼女は頷こうとしない。
 「私、入っても良いかも。D.Dを倒すためなら・・・」

彼女には此所へ来る途中、D.D.Dの説明をしておいた。
しかし、今更になって話さなきゃ良かったと後悔し始めた。
南にはこの危険な組織に入ってほしくなかったからだ。
彼女には世のために働くより、自分自身を大切にしてほしかった。
今まで通りの人生を送ってほしかった。
先程彼女がポケモンを奪われていたときの顔を見てから、なんだかそんな気がしてならない。

 「えっと、南ちゃんだっけ? 此方側としてはありがたいことなんだけど、この組織は決して遊びではないの。
イッシュ地方の未来がかかっていると言っても良い程、危険な仕事なの。
それでも、そんな私達についてこれるかしら?」
南は暫く黙っていたが、やがて「はい」と返事をした。

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最終更新:2014年01月30日 22:41