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砂埃が晴れると、目の前には白髪頭の老人一人とポケモンらしき影が一匹いた。
 「誰だ?」
 「私はD.Dの研究長、兼幹部の湯狩 堅五郎(ゆかり けんごろう)。侵入者である貴方達を排除するため、此処へ来ました」
 「・・・侵入者?」
 「そうとも・・・貴方達は我らD.Dのアジト、ブラックシティに侵入したのです。よって、排除させて頂きます」
さすがの翼も、そして私も驚いた。
私達はいつの間にかアジトに足を踏み入れていた。
いや、もしかしたらこの街全体がアジトなのかもしれない。

気がつくと、いつの間にか周囲を下っ端で囲まれていた。
 「・・・美音ちゃん、俺があのジジィをやる。君は周りの雑魚どもを・・・・・出来るか?」
 「・・・分かりました」




 「・・!西の方が騒がしいな。まさか何かあったのか?」
四天王こと山田裕貴は現在ブラックシティ北側に聳え立つ、黒の摩天楼付近にいた。
 「おい、いたか?」
 「いや、見つからねぇ」
 「まだ近くにいるはずだ!」
しかし、彼はD.Dの下っ端に追われていた。

 「D.Dの連中がこんな人口の少ない場所にたくさんいるってことは、近くにアジトがあるのは間違いないな。
ならもう十分だろ。撤退信号出せ、フワライド!」
裕貴はモンスターボールからフワライドを出した。




 「西側が騒がしい・・・。まさか美音達に何かあったんじゃ・・・」
紫音は心配していた。
しかし、今の俺はそんな心配している場合ではなかった。
 「力尽く? 俺とバトルするつもりか?」
 「せやで。大人しく言うことを聞いていれば、何もせずに済んだものの・・・。
お前達、自分が今どんな立場に立たされているか分かっとるんか?」
 「・・・・?」
 「侵入者や、侵入者。お前達はわいらD.Dのアジト、ブラックシティへ踏み込んだ侵入者という立場なんやで?」

 「ブラックシティがアジト?」
この広大な都市そのものがアジト・・・。
確かに人口が少ないわりに大量のビルや空の摩天楼といった大都市的な雰囲気を出していたのは気になっていた。
それらがD.Dのアジトであるとすれば納得できる。
何しろ隊員は300人を越えるのだから。

 「知ってもーたからにはお前らを此処から逃がすわけにはいかへん。あるポケモンの力を使こうて記憶を抹消させてもらうで。
しかも、消すのはその時の記憶だけでなく、それまで生きてきた記憶を丸ごと。
こうすれば、持っているポケモン全て奪われても別れが惜しくないやろ?」
俺の頭が爆発しそうになった。
心の奥底から怒りが込み上げ、言葉も出なかった。

 「・・・酷い」
紫音が震えながら言う。
 「記憶が無きゃ悲しむ理由もあらへんやろ。出来る限り心の痛みを和らげよう努力しとるんやわいらは」
俺の堪忍袋が限界まで膨らんだ。
 「お前らのその腐ったエゴ、ぶっ潰してやる・・・!! どっからでもかかってこい・・・!」
 「ずいぶん熱くなっとるな。ま、相手したれ、アギルダー」
ゾロアーク、アギルダーはお互い睨み合った。

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最終更新:2014年02月27日 19:53