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「姉ちゃん、紫音ってゆーのか。ええ名前や」
バシャーモをボールに戻した後、十魔が言う。
先程の彰の言葉を盗み聞きしたのだろう。
「わいは紅恋十魔や。ま、宜しく頼むわ」
その名は知っていたが、彼からすれば私は初対面だから仕方ない。
「あーあ、久々に負けてもーたわ。この借はいつか返したるからな」
「此方としても中途半端な勝利は御免よ。いつか完全なる勝利をしてみせるわ」
「・・・ほぉ、ならTWCRっつー大会に参加せぇ。全国の屈強者共が集まる大会や。そこで決着をつけようやないか」
その大会はアラララギ博士が口にしてた名だ。
彼女の言ってた通り、D.Dはこの大会を狙ってるようだ。
「えぇ、望むところよ」
望む望まないに関わらず、結局大会には参加する運命。
私はいずれまたこの男と戦うときが来るだろうと確信した。
「さて、んじゃ最初の条件の通り、今回は見逃したる。こっから北の方向に向かえば出口やから、はよ逃げな」
彼はそう言って此方に背を向けた。
「待てよ」
そう言ったのは彰だ。
「ん、何や?」
十魔は足を止めた。
「あの下っ端は何処行った?」
そういえばいつの間にかいない。
バトルに集中していて気付かなかった。
「あぁ、悪い。いつの間にか逃げたしおってたわ。お詫びと言っちゃ難やが、ええ情報教えたる。TWCRにはあいつも参加するで。
お前から全てを奪った、あの男や・・・」
私にはその会話の内容がさっぱり分からなかった。
しかし、一つだけ分かったことがある。
それは、彰がその男を恐れているということ。
彼は震えていた。
最終更新:2014年02月27日 20:16