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トラハムくんの思考を遮るかのように銃声が鳴り響いた。
身体を跳びあがらせ、トラハムくんはそちらへと向く。
「今のは……?」
実際に耳にしたのは初めてだったが、今聞こえたのは確かに銃声のようだった。
まさか、誰かが本当に殺し合いを――?
音のした方へ向かうべきか、向かわないべきかトラハムくんは考える。
仮に、実際に殺し合いが行われるとして、音の方向へ行けば当然命の危機に晒されるだろう。
だからといって無視するべきなのか?
もしかしたら今も仲間の誰かが殺されそうになっているかも知れないというのに!
「!!」
二度目の銃声。
今度はさっきよりもこちらへ近づいていた。
遅れて、悲鳴のような声が耳に届く。
間違いない。〝殺し合いは行われている。〟
確信した瞬間、トラハムくんの身体から一気に汗が噴き出した。
心臓がバクバクと音を立て始める。
自分は生きるか死ぬかのゲームに参加させられている。
開始から数時間して、今やっとそのことを実感できたのだ。
立ち止まったまま、トラハムくんはデイパックの中の短刀を掴んだ。
そしてそのまま動きを止める。
「…………」
殺さなければ、殺される。
だからといって殺し合いに乗ってもいいのか?
自分は他のみんなを殺してまで生き残りたいのか?
最終更新:2014年03月12日 15:04