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 辺りを見回すと、滑走路にジェット機らしい航空機がちょこんと設置されていた。
「お前がネジか!?」
 遠くから声がした。ネジは声がする方向へ走った。
 ぐり~んと呼ばれる男は、ジェット機の傍で手を振っている。
「お前がぐり~んか…」
 少々息を切らしながら聞くと、少し頷き、ジェット機へと入っていく。
「俺はぐり~んだ。よろしく」
 ぐり~んは首を左に振り、「乗れ」、の合図をした。
 ネジは指示通りジェット機へと入っていく。

 ふと外を見ると、眩しい太陽が滑走路を照らしている。
「正直厄介事は嫌なんだが……まあポケガイで状況は把握した。ポットンっという奴を助ければ良いんだな?」
 ネジは頷いた。
「例え逃げてもじきに見つかるはずだ。命の保証ができない」
 窓が閉まり、ぐり~んはエンジンをかける。
「だいたいどれくらいで着くんだ?」
「一時間もかからんよ」
 ジェット機が滑走路を駆け抜け、やがて、飛ぶ。
 ネジは空を眺めた。だんだんと遠くなる町並みや、空の景色は不安を打ち消してくれそうだった。
「あ、あと滑走路で着陸するからあとは走れよ」
「おう」
 ネジは空から見る愛知県に見とれていた。

「ここまで来れば大丈夫かな……」
 ポットンは学校の裏山へ着いた。
 正直幸いだったのかもしれない。今日はまだ春休み。もし学校に行ってたら、他の生徒も犠牲になっていたのではないか。
 とポットンは考えていた。

最終更新:2014年01月06日 09:29