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絶対能力進化計画。学園都市第一位である超能力者、一方通行を絶対能力者(レベル6)へと進化させる実験。
その実験内容は、学園都市第三位である御坂美琴のクローン、妹達(シスターズ)を2万通りの戦闘環境で2万回殺害すること。
何も問題が起こらなければ今回も妹達の1人が殺されて終わりとなる。
実験は10032回目。一方通行は既に10031体もの妹達を殺害していた。
10032号は一方通行によって反射された弾丸を肩に喰らい、息絶え絶えとなっていた。
あらゆる向きを変換する、ということはあらゆる攻撃の軌道が逸らされてしまうということ。
普段一歩通行は向きの変換を『反射』に設定しており、その状態で攻撃しようものならどんな攻撃でも本人へと返ってきてしまう。
10032号がそうであったように。
攻撃面でも、触れられれば終わり。血流を逆転させられ即死させられる。
2万回戦ったとしても妹達が勝利することは決してないだろう。
それでも、実験を止めることは出来なかった。
彼女達は――この実験の為に生み出されたのだったから。
「よォ、随分辛そォじゃねェか。今楽にしてやるよ」
無情に投げかけられる一方通行の言葉。
逆転は不可能。もう逃げられる程の体力も気力も10032号には残されていなかった。
一方通行の手が彼女に触れようと、血流逆転をさせようと近づく。
触れるか触れないかの瞬間で彼は異変に気付いた。
何かの気配を感じて振り返る。
そこにはオーバーオールに赤い帽子の、立派なヒゲの太った男性が立っていた。
一般的に見れば彼の姿は酷く滑稽に見えることだろう。
しかし、僅かだが一方通行はその姿に威圧されてしまっていた。
そんな馬鹿な、と彼は我に返る。そして実験に紛れ込んだ不穏分子へと声をかける。
「おいおい……、こういう場合はどうすればいいン――――」
その言葉が最後まで紡がれることはなかった。
話している途中にも関わらず、赤い帽子の男性が突進するかのようにこちらへと走り出したのだ。
一体何を考えているのか、一方通行には理解が出来なかった。
いくら突進して来ようが、どんな能力を持っていようが向きを変換させてしまえば終わり。
何の考えもなくただ突っ込んできているのだというのなら、それは単なる馬鹿か、一方通行の能力を知らない無知だけだ。
何の迷いもなく突っ込んできている辺り、男は後者のようだった。
「ま、見られたからには始末しねェとな」
男に対して何か構えるわけでもなく、一方通行はそのままの姿勢で迎え撃つ。
どうせ反射してしまうのだから防御行動も回避する必要もない。
最終更新:2014年03月13日 10:35