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炎はゆっくりと地面で跳ねながら一方通行へと向かってくる。
こんな軌道が現実にあり得るのだろうか。ベクトルを変換させるにしても多少なりともの演算が必要だ。
現実に存在する物質ならほとんどは演算無しでも反射が可能だが、学園都市第二位の生み出すような暗黒物質、多大な質量をもつものに関してはいくらか演算をしなければならない。
これは――この炎は果たして現実に存在するものなのか?
彼の頭に疑問がよぎる。幸い炎のスピードはあまり速くはない。考える時間は少しだけあった。
あの跳躍力が能力によるものでないこと、男のおかしな服装、そしてこの炎、おかしい点はいくつもあった。
相手の正体が分からない以上慎重にならざるをえない。
一方通行は攻撃を回避し、指先で炎に触れてみる。すると炎は反対方向へとゆっくり向かっていく。
――――問題ない。反射させることが出来る。
「ビビらせやがッて……何なンですかァ? てめェはよォ!!」
「マァリオォォォォォォオオオオ!!」
それが答えだったのか掛け声だったのか、とにかく一方通行は彼の名をマリオだと認識した。
それと同時にマリオは跳びあがり、空中から炎攻撃を仕掛ける。
「容赦しねェぞ。クソヒゲがァ!!」
一方通行に触れた瞬間、炎は打って変わって物凄い速さでマリオへと向かう牙に変わった。
ゆっくり地面で跳ねたりもしない。ただ、一直線にマリオへ襲い掛かる。
「ヤハー!」
だがマリオを襲う炎は、再び一方通行へと向けて跳ね返される。
一瞬、一方通行は何が起こったか分からなかったがすぐに理解する。
マリオが手に持つ黄色い謎のマント、それで炎を跳ね返したのだ。
一方通行ほどのものではないにしろ、それはベクトル変換の能力となんら変わりはなかった。
「面白いじゃねェかクソヒゲがァ……。ぶッ殺す!!」
最終更新:2014年03月13日 10:37