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一方通行、と呼ばれる少年の皮膚にはほんの僅か――目視出来ないほど薄い保護膜が張られている。
彼の能力『一方通行』は自分が触れているものにしか影響を与えられない。
では自分とは何か、というと哲学的な問題になってしまうが早い話、彼を覆う保護膜が触れているかいないかを判断し、そして反射が働く。
逆に言えば、保護膜に触れることなく一方通行自身へ触れることさえ出来れば反射されず攻撃を成功させることが出来るのだ。
保護膜は一切の隙なく彼自身を覆っていてそんなことは不可能だが。
しかし、彼は今〝風圧〟を感じている。
マリオの持つスーパーマントは一方通行の能力とよく似た性質を持つ。
そのマントで吹き飛ばされたものはベクトル変換と同じように反射され、逆方向へと向かっていってしまう。風でさえも。
例えば、攻撃が一方通行の保護膜に触れた瞬間に引っ込むとどうなるだろうか。
遠ざかる攻撃が内側に反射され、攻撃が当たるのだろう、ととある科学者は仮説を立てた。
その仮説は今現実となり、スーパーマントによって反射された風は一方通行に不可解な感覚を与える。
その感覚が一方通行に怒りの感情を湧き立たせる。
「ざ…………ッけンじゃねェぞ!」
屈辱だった。
いきなり現れた中年男性に、わけの分からない方法で、ダメージを受けてはいないとはいえベクトル変換による防御を打ち破られたのだ。
だがマリオを殺してしまえば問題は無くなる。明確な殺意が一方通行の中でひしめく。
一撃、たった一撃当てられればそれで一方通行を破れる者はいなくなる。
一方通行が風圧の中、再度攻撃を仕掛けようとするが、
マリオも再度マントをひるがえす。
最終更新:2014年03月13日 10:39