「安定重視パ構築論」は、管理人の「パーティの作成方法」ではなく「パーティを作る際の考え方」のうちのひとつについて紹介することを目的としています。

A:メイン
B:サポート1
C:受け1
D:受け2
E:弱点補完
F:サポート2
ここでは、パーティに入れるポケモン6匹をこのようにA~Fとおいて考えます。
最初にこれらの単語の定義について簡単に説明します。

まず、メインというのはパーティを考える際の中心となるポケモンのことです。
したがって、このポケモンAは先発での選出率が高くなることが多いです。

次にサポート。
サポートといっても「てだすけ」や「このゆびとまれ」を使うポケモンに限るのではなく、主に攻撃範囲のサポートをします。
基本的にはメインのポケモンが倒せない相手に強いポケモンを入れます。
6匹目となるFの場合はまた別の意味に変わってくることもあるかもしれません。

そして受け。
3匹目、4匹目となる受けですが、実際の対戦でも後続に入ることが多いでしょう。
シングルバトルなどでよく使われている「特殊受け」「ヘラクロス受け」などとは意味合いが違い、メインのポケモンが苦手な技を交換で受けるような役割となります。
これを入れることで自分のポケモンが縛られたりしていて不利な状況のときに「まもる」以外の有効な選択肢が増え、不利な戦況を建て直しやすくなります。
シングルでいう「流し」に近いイメージといえばわかりやすいでしょうか。
特に重要視すべきなのが熱風や吹雪、地震、岩雪崩などといった全体攻撃で、他にもコメットパンチや流星群などメジャーな技には注目すべきです。

5匹目の弱点補完ですが、「岩雪崩や吹雪に弱すぎる」「トリパが苦手」などといった防御面で苦手な部分をカバーできるポケモンを入れることになります。
最終的に安定性が低いと思った場合は6匹目のFもこの弱点補完と同様に考えましょう。

では、実際にパーティを考えてみましょう。


使いたいポケモンを一番最初にA,B,C,Dのどこかに入れると作りやすいので、今回はメインであるAから最初に考えることにしてみることにします。

とりあえず、攻・守ともに安定性の高いメタグロスをAに入れてみます。


次はBとCのどちらを先に考えてもいいのですが、メタグロスは弱点が少なく苦手な相手も少ないので先にCを考えてみることにしましょう。

メタグロスの弱点は炎・地面の2つで水・電気・格闘・虫・ゴースト・悪が1倍ダメージとなりますが、このうち格闘・虫・ゴースト・悪の技は受ける機会もそれほど高くないため炎・地面・水・電気タイプの技を交換から受けられるかどうかを重視して考えます。

候補はいくらかありますが、これらすべてに耐性のあるラティオスをCに採用します。
メタグロスの苦手なポケモンの大半に強いため、攻撃面で見ても相性は抜群ですね。


次にBに入るポケモンを考えますが、先ほど書いたようにラティオスは攻撃面でもメタグロスのサポートに適しています。
せっかくラティオスに似た能力を持つラティアスというポケモンがいるので、ラティアスとラティオスをBとCのどちらかに1匹ずついれることにしましょう。
特に問題はないのでこれを決めるのは後回しにすることにします。


4匹目、Dに入るポケモンを考えます。
通常だとCとDの2匹がかりで弱点を埋めることになるのですが、メタグロスは弱点が少なく抵抗の多い優秀なタイプであるためすでに十分バランスがとれています。
なのでここではAだけではなくBの弱点もカバーすることを狙います。
全体攻撃に対する耐性を考えた場合、ラティオス・ラティアスが吹雪に弱いため、氷タイプに強いポケモンがいいでしょう。
また、この3匹だと相手のメタグロスが苦手になりやすいため、メタグロスに対する有効打があることも重要で、できればコメットパンチを半減できるのが理想です。

この条件にはウインディやヒードラン、スターミー、ヤドキング等が当てはまりますが、流星群や虫のさざめきなど3匹でカバーしきれていない部分までカバーできそうなヒードランをDに選ぶことにします。

メタグロス・ラティアス・ラティオス・ヒードランと順調に出てきましたが、ここで、このままでは厳しい相手を考えます。
雨パはやや苦手な感じもしますが2匹のラティをうまく使えば対応できそうです。
しかしトリパは立ち回りだけではカバーできそうにない感じもしますね。
トリパ対策には「遅いポケモンを入れる」「挑発などでトリックルームを防ぐ」「自分もトリックルームを使う」などがありますが、4匹の弱点補完なども含めて総合的に考える必要があります。

Eには汎用性の高い、「じばく」を覚えたカビゴンを入れることにしましょう。


最後にFですが、攻撃面でのサポートはもう十分だと思うので弱点補完をします。
とはいっても特に目立つ弱点はなさそうなので先に技構成から考えちゃいましょう。

メタグロス・・・コメットパンチ・バレットパンチ・じしんorだいばくはつ・まもる
ラティアス・・・りゅうせいぐん・まもる
ラティオス・・・りゅうせいぐん・めざめるパワー地面・まもる@いのちのたま
ヒードラン・・・ねっぷうorだいもんじ・まもる@シュカのみ
カビゴン・・・おんがえし・ほのおのパンチorじしん・じばく


新ルールでは催眠制限がないため、最低でも1匹以上にラムカゴを持たせたいところ。
メタグロス以外の4匹が炎技に強いし、オッカのみを持たせる必要はなさそうなのでここではメタグロスにラムのみを持たせます。
ラティアスの技が2つあいているので「いばる」を覚えさせていばラムを狙ってみます。
もう1つのスペースには10万ボルトや目覚めるパワーなどを入れるのもよさそうですが、ヒードランのサポートと雨パ対策を兼ねて「にほんばれ」を持たせてみます。
これを生かすためにカビゴンの選択肢を炎のパンチにするとヒードランに対する有効打が減るので、メタグロスの選択肢は地震を選ぶことにしましょう。


以上のことを踏まえて調整するとこんな感じになりました。
メタグロス・・・コメットパンチ・バレットパンチ・じしん・まもる@ラムのみ
ラティアス・・・りゅうせいぐん・いばる・にほんばれ・まもる
ラティオス・・・りゅうせいぐん・めざめるパワー地面・まもる@いのちのたま
ヒードラン・・・ねっぷう・まもる@シュカのみ
カビゴン・・・おんがえし・ほのおのパンチ・じばく・まもる

5匹でもすでに十分バランスがとれているので、6匹目となるFは環境を考慮しつつ考えることにしましょう。

最近(2009.5)流行しているらしい「のろい」カビゴンに焦点をあててみます。
「おんがえし」は確定として、サブは「ほのおのパンチ」「じしん」のどちらかです。
地震がなければヒードランで受けきれるので、ヒードランに鬼火を持たせます。
サブが地震だった場合は地震読みでラティアスやラティオスを出して流星群で縛るなどして対処するのが現実的ですが、のろいを積まれている状態でも有効打になるような技が何かもう少し欲しいものです。

また、「トリック」「こだわりスカーフ」メタグロスも意識してみます。
先発で出てくることが多いので、こちらの先発候補の筆頭となるメタグロス・ラティアス・ラティオスがこのメタグロスに強いかどうかを考えてみましょう。
この3匹はあまりトリックを受けるようなポケモンではないため、ラティアス・ラティオスに打たれるコメットパンチを交換から受けられるポケモンが理想になります。
また、実際には相手のメタグロスがスカーフ持ちであるかは初見ではわからないので、初手で地震を打たれる可能性も十分にあるためこれも踏まえて考えます。

ギャラドス・ルンパッパなど候補はいくらかありますが、日本晴れとの相性があまり良くなかったりするのでFには熱風サンダーを入れることにします。

サンダーにはメジャーなものだけでも色々ありますが、安定重視パ構築論ということで、割かし安定性の高い「みがわり」「たべのこし」型をチョイスしてみます。


メタグロス・・・コメットパンチ・バレットパンチ・じしん・まもる@ラムのみ
ラティアス・・・りゅうせいぐん・いばる・にほんばれ・まもる
ラティオス・・・りゅうせいぐん・めざめるパワー地面・まもる@いのちのたま
ヒードラン・・・ねっぷう・おにび・まもる@シュカのみ
カビゴン・・・おんがえし・ほのおのパンチ・じばく・まもる
サンダー・・・10まんボルト・ねっぷう・みがわり・みきり@たべのこし

ここで実際に6匹から4匹を選出する様子をイメージしてみます。
こういうときはこう、みたいにたくさん考えることがあるのですが、それら全てを書くわけにもいかないのでそこはもう個人の裁量に任せますね。


というわけで、最終的にはこんな感じになりました。
メタグロス・・・コメットパンチ・バレットパンチ・じしん・まもる@カゴのみ
ラティアス・・・りゅうせいぐん・いばる・にほんばれ・まもる@きあいのタスキ
ラティオス・・・りゅうせいぐん・めざめるパワー・みがわり・まもる@いのちのたま
ヒードラン・・・ねっぷう・おにび・ちょうはつ・まもる@シュカのみ
カビゴン・・・おんがえし・ほのおのパンチ・じばく・まもる@ラムのみ
サンダー・・・10まんボルト・ねっぷう・みがわり・みきり@たべのこし

ここからはこのパーティを実際に作り、対戦で使ってみるなどして少しずつ調整していくのですが、パーティ構築論「安定重視パ構築論」はここで終わりです。

最後まで読んでくださった方はお疲れ様でした。
最終更新:2009年05月26日 17:04