ある朝、俺はいつも通りのどかな景色を眺めながら、友達2人とゲームの話や漫画の話、クラスメートの愚痴をしながら学校へと繋がる通学路を歩いていった。
学校に着き、いつもの「ギャーギャーワーワー」という騒ぎ声が下の階や上の階から聞こえてき、目の前でも床でスライディングしている人がいる。
俺は教室に行き、ガタンと大きな音をたてながらカバンを机の上に置き、机の中にさっさと教科書やノートを詰め込んだ。
そして、ためになるとは分かっているがとてもつまらない授業が始まった。
学校が終わり、俺はまた一緒に登校してきた友達2人と帰った。
そして、友達2人と別れた頃、急に家に早く帰ってゲームがしたくなり、俺は走った。
大体200mほど走り、俺の家に着いた。
俺は玄関のドアノブをガチャリと右に回し、ドアを引いて中に入った。
「ただいまー!」
シーン・・・ 家の中からはいつも「おかえり!」と返してくれるはずの母さんの声がしない。
「あれ?母さん?居ないのかな?」
車はいつもの向かいの駐車場に置いてあるが、母さんは家には居ない。
「歩いてどこか行ったのかな?とりあえずしばらく待ってれば帰ってくるだろう・・・」
俺はそう思い、テレビをつけてゲームをやり始めた。
ふと気付けばもう7時頃、俺が帰ってきたのは4時頃だが、まだ母さんは帰ってこない
さすがにおかしいと思い込み、今日登下校した友達のうちの1人に電話をしてみた。
その友達はよく母さんが出かけている家の近くだったから、少しでも手がかりはあると思っているうちに電話が繋がった。
「もしもし? お前俺の母さん知らない? お前の家の近くに居たりすると思うんだけど、ちょっと様子見てくれるか?」
「え!? お前の家の母さんも居ないのか!? 俺の母さんも居ないんだよ!」
「え? マジかよ・・・」
「とにかく心当たりを探してみよう、あの場所に来てくれ」
あの場所というのは、俺たちの秘密基地になっているような場所で、よくそこで遊ぶことが多い。
「分かった、準備が出来たらすぐ行く!」
電話がガチャリと切れると、すぐにまた電話がかかってきた。
「もしもし?」
「あ、やっとかかったか・・・ お前俺の家の母さん知らないか?」
「え、お前の家もかよ!? 俺の家も母さんが居ないんだ! ちょっとあの場所に来てくれ!」
「ああ、分かった!」
俺たちはあの場所を目指し、全力で走った。
ふと前を見ると光が俺のほうに向かってきている、その光は俺にどんどん近づいてくる。
「うわあああああああああああ!!!!」
気付けば俺は光に飲み込まれ、すごく不思議な気分になって地面にどてりと頭から落ちた。
「いって~、どこだよここ!」
周りを見るとそこは草むらだらけで、そこには同じく母さんが居なくなった2人が倒れていた。
どうやら彼らは草むらの薄い場所へと伸びていたらしく、起き上がって周りを見渡してみると、周りは膝まであるうっそうとした長く青がかった緑色の茂みにおおわれいた。
空は太陽が落ちているため暗く、辺りに電灯も見当たらず月明かりと夜空に浮かぶ無数の星の輝きだけが地面を照らしている。
「ここはどこだ?」
最初に口を開いたのは友人に最初に電話をかけたファングであり、彼は口が軽いが行動的である。
伸びていた二人もすでに起き上がり、辺りをキョロキョロと見渡している。
「どこだろう? 一回も見たこと無い景色だなぁ」
もう一人の少年、人参も同じような言葉を紡ぐ。 一方傍らにいる少年、大太郎もケータイ電話を使って現在地を調べようとカチカチとボタンを押していた。
「ダメだ、圏外。 此処がどこなのかもわからないよ」
彼の発した言葉を聞くと二人とも大太郎のケータイ画面を覗く。
此処は電波受信領域の外にあるらしく、通話もメールも出来ない状況だ。
「ああ、お腹すいたなぁ」
そう言って人参がへたり込む。 すでに時間は7時30分を過ぎており、成長期の彼らが帰ってきてまだ夕食を食べて無いとなればお腹が空くのは当然の事である。
「そんなことより早く此処を移動して民家のあるところに移動しようぜ」
「あっ、待って」
ファングが二人にそう言って大太郎の言葉も聞かずうっそうとした草むらに先陣きって入ろうとした瞬間である――
突然大きな怪鳥が上から飛んできてファングを襲った。
「うおっ!」
間一髪、人のものではない黒い影に気づいたファングは飛び退き、怪鳥の一撃をかわした。
怪鳥は低空から高度を上げるように空に飛び上がるが月明かりに照らされてその正体が判明した。
全長およそ1.6mほどでフクロウのような体つき、広げた体以上の羽。 U字型の眉毛。そしてこちらを見つめる赤い瞳を持つ目。
「アレってヨルノズクじゃない!? ていうかなんでポケモンが此処に!?」
人参が『ヨルノズク』と呼ばれる怪鳥を指差し大きな声でしゃべった。
『ポケモン』。 それはゲームの中でしか会えない生き物だと思っていた。 しかし今現実にその『ポケモン』に対面し、そして襲われている。
そしてこちらの三人はほぼ丸腰。 自分たちの身長より大きいヨルノズクを前にして取れる行動は逃亡しかなかった。
「逃げろー!!」
三人は一目散にヨルノズクの反対方向に駆け出す。
それを追うヨルノズクがその大きな羽を降ると真空の刃が出来上がり羽を振り下ろすと茂った草むらを切り裂く。
「エアスラッシュだなんて……当たったら一溜まりもない!」
ファングが叫ぶと三人はより早く走った、今まで生きている中で一番全力で走ったんじゃないだろうか。
ヨルノズクは羽音も立てず飛びながら三人を追いかけている。三人は走っているうちにいつの間にか草むらを抜けだし木々が並びコンクリートで舗装された道を走っていた。
ここまで走っているとヨルノズクは追うのを諦めたらしく、空中で迂回して回れ右をした後、三人の走っている方向とは逆の方角に戻った。
「ふぅ……ふぅ……よくまけたなぁ……」
人参が息も絶え絶えにしゃべると二人も頷く。
その三人に対し、突如
ライトの光が当てられた。
「君たち、そこで走って何をしていたんだい?」
紺色の帽子と制服に包まれた大人の男性が三人に話しかける。 手には懐中電灯を持っていたらしくそのライトが当てられていたようだ。
つまり三人は警官とさっした。
「最近このあたりで窃盗事件が多くなっているんだ。 ちょっとついてきてくれるかな」
三人は拒否すれば怪しまれると思い仕方なく警官の男性についていくことにした。
粉 2010/5/2
ファング一行そのまま数分気まずい沈黙の中、警官の歩くすぐ後ろをついていった。
そして人通りの少ない町外れの交番へと入っていった。
「まぁ窃盗はしてないようだが、どうしてこんな遅くまであんなところにいたんだ?」
警官が機嫌が悪そうにそう言った。
説明する言葉がみつからないファングは、助けを求め横を見た。しかし人参も
太太郎も腹が減った上に眠そうな顔をしていて説明どころではなさそうだった。
するとファングはしかたなく口を開いた。
「い、いやちょっと落とし物をして探してたんですよ」
嘘の供述をしているファングの顔はどうも落ち着きがなく、警官と目を合わせようとしない。
「そんなことを信じると思ってんのか!!!」
簡単に鼓膜が破れてしまいそうな声で警官は怒鳴る。
「だって気づいたらあの場所にいたんですよーこっちのほうが信じてもらえないでしょォー」
ファングは必死に弁解するが、すでに警官は呆れ顔だ。
「仕方ない。今日はもう私の家に泊まっていけ。飯も出すぞ。」
警官が言うと、いままでぼーっとしていた2人も飯という単語を聴き目覚めみんなで交番の隣にある警官の家へと行った。
(そういやあのヨルノゾクは何だったんだ?)
人参 2010/5/3
「おじゃましまーす・・」
三人は遠慮がちに家に入った
こんな夜遅くに、まして警察の家に入るなんて初めての経験だったであろう三人が緊張するのは無理も無かった
入ってすぐに何やら犬のような動物がこちらに向かって走ってきた
「ジグザグマだ!!」
始めにそう声を上げたのは人参だった
すると
「何だ?ジグザグマをみるのが初めてなのか?」
と警察官はジグザグマの頭を撫でながら不思議そうに声をかけてきた
どう答えればいいか分らず戸惑っている三人に警察官は
「そうだ、腹が減ってるんだったな、少し待っていてくれ」
と続け、部屋を出て行った
部屋のテーブルの椅子に太太郎が腰かけ、続いて二人も腰かけた
「さっきのヨルノズクといいジグザグマといい、やっぱり此処はポケモンの世界らしいぜ」
困った様子で人参はそういった
「でもさぁ、ヨルノズクはジョウト地方のポケモン、ジグザグマはホウエン地方のポケモンだよなぁ」
三人の中で一番頭のいいファングが人参に突っこんだ
「じゃあここは何ていう町なんだろうなぁ」
人参がそう問いかけると
「後で警察官に聞いてみようよ」
と太太郎が提案した
その太太郎の提案に二人は頷いた
ガチャリ
「「「良い匂い!!」」」
三人がそう叫んだのと警察官が香ばしい匂いと共に沢山の料理を運んできたのは同時だった
三人が料理にがっついているとファングが警察官に聞かなければいけない事を事を思い出した
しかしあまりにも料理がおいしかったため質問は後にしようと考え、食べ続けた
後の二人も考えは同じだったに違いない
ポルンガ 2010/5/3
最終更新:2010年05月05日 21:14